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 ソフト開発やシステムの運用・保守などを手がけるクオリカは2007年3月に社内SNSを本格導入した。導入後3カ月と日は浅いが、すでに社員750人中の約450人が参加している。アクティブユーザー数は3日間で6割。導入の目的や現状を担当者に聞いた。(※インタビューにご回答いただいた各氏――人事部部長 岡元俊美氏、人事部プランニングマネージャー 佐々木通孝氏、アウトソーシング事業部企画グループセールスITアーキテクト 藤野哲氏、システム本部第二事業部ビジネスシステム第二部 藤森由美子氏、人事部 松尾忍氏――の発言を編集部がまとめた)

■社内SNSの導入を考えた理由は

 きっかけは新入社員だ。新入社員は4月に入社して2カ月間研修を行う。その2カ月の研修を終えて、各部署に配属された際に新入社員がスムーズにその部署や部署内の人間になじめるような仕組みを作りたかった。

 ただでさえ部長クラスの社員と新入社員には世代間ギャップがある。そのギャップを埋めるために「おじさん社員からの頑張れコール」を送る場を作ろうと思った。最近では中途採用の社員も増え、そういった社員に対する横のつながりを提供する意味もあった。そんな折り、たまたま雑誌で社内SNSの記事を見て「やってみよう」となったのが3月半ば。その後、2~3週間で準備をし、稼働させた。

■グループウエアなど、SNS以外の手段の検討は

 グループウエアは「データ交換」という意味合いが強い。縦割りで何かを伝えたりするためのツールで、そこに横のつながりはない。SNSであれば「ゆるいコミュニケーション」ができる。仕事だけのつながりではなく、プライベートでもつながりあい、仕事に関することだけではないやり取りが可能になる。例えば、SNSを導入したことで、テニスやフットサルなどのクラブ活動から仕事関係まで公私ともに様々なコミュニティができた。それは従来のグループウエアではできなかったことだ。

 実は、以前「OKwave」というQ&Aサイトを導入して大失敗した経緯がある。まったく盛り上がらなかった。今考えれば、OKwaveの場合、質問すること、回答することを目的にした人しか集まらない。情報だけだと人は集まらないのだと感じた。やはり、人がいるところ、横のつながりがあるところに人は集まる。SNSにもQ&Aサイトの側面はあるが、SNSを見にいくこと自体が「なんとなく見にいくこと」が多い。そこに質問やその回答があれば何となく見る。それくらいの方が、人が集まりやすいのだと感じた。

■運用面での課題や問題は

 個人が特定できてしまう方法での、悪口や不満などはなるべく監視していかないといけないと思っている。今までに1件、そういった事情で削除依頼があった。

 ついに管理者がいない世界に入ったという不安もある。SNSは自由な空間なイメージが強い分、何を書いても社員は「見られていない」と感じるかもしれない。そのために発生する問題や課題は出てくると思う。

 ただ、もともとは先輩や上司が後輩や部下を励ましたり、支えたりするのが目的。積極的に上の人間にも参加させて、「監視されていないが見られてはいる」ということを意識してもらうことで、ある程度は問題を防げると思っている。監視されていないことで出てくるマイナス面より、社員の意見や気づきなどのプラス面を大切にしたい。