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 鉄道、自動車、飛行機、徒歩などのあらゆる移動手段を考慮し、これらの中から最適な移動方法とルートを案内する総合ナビゲーションサービス「NAVITIME」(以下、ナビタイム)。数々の経路検索サービスが群雄割拠する中、後発でありながら、利用者数を着実に伸ばしてきた。大学時代に出合った研究テーマをビジネスとして成功させ、世界展開を着々と進めるナビタイムジャパンの大西啓介代表取締役社長に、経路検索のビジネス戦略について聞いた。

■経路検索をビジネスにした経緯は。

 大学の研究室で、教授にたまたま割り当てられたのが「大規模道路ネットワークにおける経路探索アルゴリズム」でした。当社の副社長、菊池新も同じ研究室で時刻表をベースにした経路検索のアルゴリズムを研究していました。当時は、デジタル化された地図や時刻表がなく、データを手入力したり、カーナビの共同研究用に用意されたサンプルのデジタル地図を使ったりしました。20年以上前なので、パソコンのCPUやメモリーが貧弱で、いかにコンパクトなプログラムを作るかに苦心した記憶があります。

 卒業後、祖父が創業した大西熱学に入社し、環境試験装置のアルゴリズムやソフトウエアの開発を担当しました。その後、別の会社に就職していた菊池が合流。インターネット商用化が始まった1996年に、父である社長から、新規事業を研究開発するようにと命を受けました。

 このとき初めて、自分たち2人に共通し、かつ独自性のあるテーマが経路検索だと気付いたのです。私が研究した道路検索と、菊池の時刻表ベースの検索アルゴリズムを融合させると、世の中の移動手段をほぼカバーしたトータルナビゲーションが可能になります。社内ベンチャーによって本格的な開発を始めたのが、ビジネスのキッカケでした。

 大西熱学という母体の信用力もあり、さまざまなデータを入手する際のハードルが低く、研究開発を順調に続けることができました。1998年には、鉄道・飛行機・車・徒歩と、すべての移動手段に対応した、世界初のトータルナビゲーションの仕組みをほぼ完成させました。経路検索エンジンのライセンスビジネスでロイヤルティーが順調に入るようになったところで、新たな一歩を踏み出すために分社化し、2000年3月にナビタイムジャパンを設立。日本初のGPS搭載PDAとして発売された、セイコーエプソンの「ロカティオ」は、トータルナビゲーションを搭載したナビタイム端末の第1号です。