ネット通販のアマゾン ジャパンは11月1日、国内サイトAmazon.co.jpの和書・洋書の両ストアにおいて、著者名やタイトル名などの特定のキーワードだけでなく、書籍内の全文検索ができるようにした「なか見!検索」サービスを開始した。同サービスでは、アマゾン側で書籍をスキャンすることなどにより、全文検索のほか、ユーザーが書籍の購入前に、検索した書籍のページの中身の一部などを閲覧できるのが特徴だ。現在、講談社やソフトバンククリエイティブ、日経BP出版センターなど約280社、13万冊以上が検索できるという。ただ、「なか見!検索」は、あくまで書籍購入のためのサービスの一環。無料で書籍の内容を読めるものではない。そのためアマゾンは同サービスの利用を1度でもAmazon.co.jpで商品を購入したことがあるユーザーに限る。
同社は米国で2003年10月に同様のサービスを「Search Inside!」として開始している。
書籍をスキャンするなどして電子化し、その一部を閲覧できる書籍検索サービスは、米グーグルが「Google Print」のベータサービスを開始したころ(同社の正式コメントでは2004年秋)から、にわかに注目を集めている。一方で同社は米国で著作権侵害で訴えられている。そこで同社は11月3日、今度は、米ミシガン大学などから、米南北戦争の歴史書や政府関連の書類など、著作権を問われない書籍の提供を受けて「Google Print」の検索対象に加えることを明らかにした。
こうした動きに対抗する目的で、米マイクロソフトも10月25日、書籍や学術資料、定期刊行物などの印刷物を含むコンテンツを検索できる「MSN Book Search」を提供する方針を発表している。2006年に初期ベータ版を提供する計画だ。併せて同社は、ヤフーなどが10月3日に発表した、書籍などの幅広いコンテンツを電子化し、オープンにアクセスできるようにするプロジェクト「Open Content Alliance(OCA)」にも参加することを明らかにした。