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 NECは2006年4月1日付で社長を交代する。現在、同社代表取締役執行役員副社長を務める矢野薫氏が代表取締役執行役員社長に就任する。現在の代表取締役執行役員社長である金杉明信氏は、同日付で取締役副会長となる。3月15日に開催された社長交代の会見で矢野氏は、同社が注力しているITとネットワークの統合事業を主体として、金杉氏の路線を踏襲しながら事業展開していく方針を示した。同社は今回の人事について、金杉氏が病気で入院し、業務の遂行が困難になったことに伴うものと説明している(発表資料)。

 矢野氏はNECの米国法人であるNEC USA社のPresident職や、NECの通信事業の社内カンパニーであるNECネットワークスの社長などを歴任し、通信分野に明るい。現在はNEC中央研究所など研究開発部門を統括する。矢野氏は会見で通信業界の現状について触れ、「NGN(next generation network)が旬である。通信事業者にも法人や個人のユーザーにとってもNGNの展開は大きな変化点になる」との持論を示した。その上で矢野氏は、「NGNの展開がNECにとって大きなチャンスとなるだろう」とし、同社が「UNIVERGE」ブランドで進めている通信設備と情報システムの統合事業を引き続き推進していく考えを示した。

 海外での販売単価下落や在庫増、国内でのシェア低下に伴い業績が低迷している携帯電話機部門については、今後半年をメドに黒字化を図るとした。その上で、他のメーカーとの事業統合といった抜本的な対策も検討していると表明した。「日本国内に携帯電話機メーカーが10社以上あるのは異常な事態。このままでは共倒れしてしまう。何らかの新しい道を考えなければいけない。携帯電話機は重要な事業でもあり、単純に事業売却して手放すという手法は採らないが、提携相手とWin-Winの関係を築ける手法を考えたい」(矢野氏)。

 同様に赤字が続いている半導体部門についても、「まずは自力で黒字化を図りたい」(矢野氏)と表明。NECグループ内での半導体の内製率向上などを図り、今後1年半程度で収益改善に取り組んでいく。その上で、現在東芝と進めている45nmプロセスの半導体製造技術の確立など、研究開発を進めていくとした。

 パソコン事業について矢野氏は、「パソコンは、NECが進めるITとネットワークの統合事業において、重要な要素の1つ。ユーザーがじかに接する機器でもあり、なくてはならない。競争が厳しくマージンを取りにくいが、今後も間断なき革新を進めながら事業を展開していく」と述べた。