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 NECは2006年7月1日、インターネット関連サービスを提供するBIGLOBE事業部門を分社化し、新会社「NECビッグローブ」を設立する。NECが出資するのは78%。残り22%は、住友商事、大和証券グループ本社、三井住友銀行、電通、博報堂の5社がそれぞれ出資する。今後BIGLOBEは、どう変わるのか。現在、NECでBIGLOBE事業とパソコン事業を所轄する片山徹執行役員専務と、BIGLOBE事業本部長である佐久間洋氏に話を聞いた。(聞き手:高田 学也=日経パソコン)

■そもそも、なぜ分社化しなければならなかったのか。

片山執行役員専務:BIGLOBEサービスが始まって10年近く経ったが、ここ数年事業が伸び悩んでいた。NECの中にいてできることに、限界が見えてきた。さらなる成長を促すには、コンテンツの専門家に我々のパートナーになってもらうしかない局面に来たと判断した。分社化は突然決めたのでなく、数年間暖めていたアイデアだ。

■パートナーと組むことで具体的にBIGLOBEはどう変わるのか。

佐久間事業部長:新会社を設立する7月早々に、第1弾の新サービスを投入するつもりだ。一例を挙げると、金融関係の情報を集めた「BIGLOBEマネー」を拡充する。団塊の世代のユーザーに向けて、今後の資産運用に役立つさまざまな情報を分かりやすく提供する。ここで、パートナーになる大和証券グループ本社や三井住友銀行との協力体制が生きてくる。7月24日、BIGLOBEは10周年を迎える。それに合わせて、特典付きの様々なキャンペーンも行うつもりだ。

■電通や博報堂など、広告代理店とも連携する。

佐久間事業部長:新しい広告モデルを築きたいと考えている。単にテレビ番組のように、動画コンテンツのすき間とすき間に広告を入れるだけでは、広告クライアントのニーズは満たせない。例えばブログと連動させるとか、実際のイベントと絡めるなど、コンテンツごとに今までにない斬新な広告のモデルを探る必要がある。

■2008年、売り上げ規模を現在の650億円から1000億円に引き上げる目標を立てた。その道筋は。

片山執行役員専務:ISP事業以外に、2つの柱を成長事業として確立させる。一つはプラットフォームサービス事業。BIGLOBEの名前は表には出ていないが、既に多くの動画配信サイトや携帯サイトがBIGLOBEの用意するプラットフォームを用いてサービスを提供中だ。いわば黒子としての役割をますます強化する。もう一つはブロードバンドメディア事業である。BIGLOBEは現在1320万人のユーザーが利用中。このうちコンテンツだけを利用するためにIDを取得しているユーザーも相当数いる。そこで、オンラインショップや無料のコンテンツ、有料のコンテンツをパートナーの力を借りて拡充することで、売り上げ増につなげる。この枠組みの中で、最適と思う企業があれば、新たにパートナー関係を結ぶことも十分考えられる。

■最近、NEC製パソコンはBIGLOBEとの連携を深めてきていた。BIGLOBEの分社化でその流れが後退することはないのか。

片山執行役員専務:そんなことはない。逆に、より連携を深めていきたい。2005年秋モデルのNEC製パソコンでは、リモコンでBIGLOBEを使えるようにした。第2弾となる2006年夏モデルでは、サーバーと連動し、ユーザー一人ひとりの属性や履歴に合わせて、デスクトップ画面上にあるBIGLOBEへの入り口をカスタマイズできるようにした。その次の秋冬モデルでは、もっと便利に感じるパソコンとBIGLOBEの連携環境を提供するつもりだ。うれしいことに、2005年の秋冬モデルを買ったユーザーにアンケート調査をしたところ、十数パーセントのユーザーがBIGLOBEとの連携に魅力を感じて購入に踏み切ったという。こうしたユーザーを増やす努力は一切惜しまない。

■ブロードバンド化の流れを受けて、コンテンツはどう変わっていくのか。

佐久間事業部長:今のインターネット上のコンテンツは、パソコン性能の向上に追いついていない。ブロードバンド経由で視聴するコンテンツは、音にしろ映像にしろ、パソコンのパワーを出し切るものでは決してない。光ファイバーの普及も手伝い、今年からようやく3Mbps以上の動画コンテンツも提供できる素地が整った。今後追加する新しいコンテンツは、3Mbps以上のハイクオリティなものも積極的に提供していく。