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 カシオ計算機は2006年5月15日、ノートパソコンなどの携帯機器向け燃料電池用発電ユニット(セルスタック)を開発したと発表した。体積当たりの発電能力を従来の試作機よりも高めたのが特徴で、同社によれば世界最高水準という。今後は2008年3月までに性能評価用サンプルを出荷開始する。

 今回開発したセルスタックでは、燃料極と空気極(一般的な電池ではそれぞれ負極と正極に相当)および両極の間に配置して仕切りの役割を果たすセパレーターを組み合わせたセルを、20枚重ねた構造にした。水素ガスを密封する機構の小型化や、ガス流路の改良、実装部品の高密度化などにより、セルスタックの体積22立方センチメートル(幅65×高さ19×奥行き18mm)に対して、得られる出力は19.4W。体積当たりの定格出力(体積出力密度)では、携帯機器用で世界最高水準となる882W/Lという。

 ノートパソコンや携帯電話といった小型携帯機器向けの燃料電池では、燃料のメタノールを直接セルスタックに供給するDMFC(直接メタノール型燃料電池)が主流だが、カシオ計算機が開発中なのはPEMFC(固体高分子膜型燃料電池)と呼ばれる方式。PEMFCでは「改質器」と呼ばれる装置によりメタノールから水素を取り出し、これを基に発電する。同社では既に改質器を組み込んだ「マイクロ改質モジュール」を開発済み。今回開発した発電セルスタックと組み合わせることにより、燃料カートリッジを含めても、同体積のリチウムイオン電池と比較してノートパソコンの駆動時間を約4倍に延ばせるという。