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 台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2006」の会場では、複数の光ディスクメーカーによる次世代光ディスクの参考出展がみられる。

 例えば台湾CMCマグネティクス、台湾オプトディスクテクノロジー、台湾プロディスクテクノロジー、台湾ライテック、インドのモーゼル・バール・インディア(Moser Baer)などのブースで、試作品の記録型Blu-ray Disc(BD)や記録型HD DVDの展示がみられる。いずれのメーカーも、書き込みテストなど動作状況を確認できるデモは実施していないため、メディアとしての性能や信頼性は確認できないが、準備は着々と進めているようだ。

 台湾メーカーとして最も早く市場に出てきそうなのがCMCである。同社は1層のBD-RとBD-RE、1層および2層のHD DVD-R、HD DVD-RWをラインアップ。現在はサンプル出荷の段階にある。「まずは2006年7月に記録型HD DVDを、同年10月~12月には記録型BDの量産出荷を始める。日本メーカーを含め、世界各国の光ディスクメーカーにOEM供給していく」(CMC説明員)。価格については、「記録型BDは1枚10~15米ドル程度を想定している。日本メーカーの自社製造品より価格競争力のある製品を出していく」(CMC説明員)という。

 ライテックも既に記録型HD DVDのサンプル出荷を始めており、「まずは自社ブランドで2006年6月中にも量産出荷を始める」(ライテック説明員)。自社ブランド品で性能や品質を確認してもらった上で、次のステップとしてOEMメーカーへの供給を順次始めていく予定だ。「既に米国の大手光ディスクメーカーは当社の記録型HD DVDに強い興味を抱いており、OEM供給に関する交渉を始めている」(ライテック説明員)という。

 プロディスクも2006年10月~12月には記録型HD DVDを、2007年には記録型BDを、それぞれ量産出荷する予定としている。

「PS3が遅れているし、BDはしばらく様子見」

 各社の出荷スケジュールから分かるように、台湾の光ディスクメーカー各社はまずHD DVDメディアを手掛け、その後にBDメディア事業に着手するというところが多い。「現行のDVDの製造装置をそのまま転用できるHD DVDの方がやりやすいのは当然のこと。製造装置を一から導入するとなると莫大なコストがかかるし、BD普及の最大の追い風になるとみていた『プレイステーション 3』の発売が遅れるなど、BDの先行きに不安もあるので、BDメディアの量産については当面は様子を見たい」(ライテック説明員)。またBDへの参入意向を示している台湾メーカー各社でも、量産時の歩留まり向上が困難といわれる容量50GBの2層メディアを展示しているところはない。記録型BDの展示品は、すべて容量25GBの1層品であった。

 COMPUTEX会場で見る限り、メディアの量産が進みエンドユーザーに手の届く価格帯で製品化されるという意味では、HD DVDの方が一歩リードしていると言えそうだ。記録型BDに関しては、当面は松下電器産業(関連記事1)やTDK、そして先日共同開発の完了を発表した日立マクセルと三菱化学メディア(関連記事2)など、単価の高い日本メーカーのメディア以外に選択肢がなさそうだ。メディアの量産体制やそれに伴う単価の変動などが、両陣営の規格争いにどう関わってくるか、今後の動向に目が離せない。

■変更履歴
 本記事の掲載後、台湾ライテック広報部から説明内容に誤りがあったとの申し入れを受けました。「HD DVDメディアの量産出荷が先行するのは事実だが、当社としてはBDメディアにも取り組んでいく方針である。設備投資も実施済みであり、現在はBDメディアの試作ラインを用意した段階である。量産時期については、今後のBD市場の動向を見ながら判断する方針で、2006年末か2007年1~3月になるか、具体的には決めていない」(ライテック広報部)。
 これに伴い、記事掲載当初に第6段落に記述していたライテック説明員のコメントのうち「BDへの設備投資は今のところ考えていない。」の一文を削除、「当面は様子を見たい」の前に「BDメディアの量産については」を追加しました。[2006/06/27 16:58]