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 Windows Vistaには「SideShow」という新機能がある。パソコンのメインのディスプレイとは別の小型ディスプレイで各種情報を確認できる。携帯音楽プレーヤー、特に「iPod」へのチップ提供などで知られる米ポータルプレーヤー(PortalPlayer)が、SideShow向けの技術「Preface(プリフェス)」を開発し、現在、パソコンメーカーなどに採用を呼びかけている。同社の社長兼最高経営責任者、ギャリー・ジョンソン氏(写真1)にPrefaceの仕組みや今後の展開などを聞いた。

■Prefaceとはどういった技術なのか。

 PrefaceはSideShowのサブディスプレイ側のシステムで利用するプロセッサー、ファームウエア、ソフトウエアなどの技術や、開発キットを含むプラットフォームの名称だ。SideShowを搭載した機器を開発するパソコンメーカーなどに提供される。Prefaceの技術は高機能なリモコンなど、パソコン以外の機器にも応用できるが、当初はノートパソコンのサブディスプレイとして製品化される予定だ。天板などパソコンの本体にディスプレイを組み込む方式と、パソコンから取り外し可能な機器として提供する方式の2通りを考えている。

 マイクロソフトとは数年前から開発に向けて話をしてきた。マイクロソフトが持っていた初期のコンセプトは、PDAのような小型機器のディスプレイにメールを表示するといったものだった。我々と話を進めて行く中で、初期コンセプトに動画や音楽を再生したり、画像を表示したりというマルチメディア的な要素が追加されていった。

■Prefaceを採用したSideShow機器ではどういったことができるのか。

 Windows Vista搭載パソコンにガジェット(Gadget)と呼ぶソフトをインストールすると、「コントロールパネル」から開ける「Windows SideShow」という画面に一覧表示される(写真2)。この一覧でチェックを付けたガジェットを、SideShowの小型ディスプレイに表示できる。ガジェットはマイクロソフトのほか、ソフトウエアメーカーや趣味でソフトを開発する個人からも提供されて、インターネット上からダウンロードできるようになる見通しだ。
 サブディスプレイには、メールのタイトルや本文テキスト、カレンダー、画像のスライドショーなどを表示できる(写真3~4)。サブディスプレイからWindows Media Playerなどのアプリケーションを操作することも可能だ。パソコンの電源が入っている状態なら、表示内容を定期的にアップデートするといった動作も可能になる。メーカーが製品開発時に選択すれば、パソコンのログイン時などに使える指紋認証機能を組み込むこともできる。

 使い方としては、ノートパソコンの電源が切れている最中でも、サブディスプレイ側のシステムは常に起動している状態を想定している。サブディスプレイ側には、パソコン本体とは別のプロセッサー、メモリー、記録媒体(フラッシュメモリー)が備わる。そのため、パソコンの電源が切れている状態でも、サブディスプレイ側に保存した音楽を再生したり、画像やメールを表示したりできる。また、ユーザーが新着メールをチェックしたいと思ったとき、今までは(1)ノートパソコンを開き(2)Windowsを起動し(3)メールソフトを起動して新着メールを受信・表示する、という作業が必要だった。SideShowではWindows Vistaと連携して、サブディスプレイ側でボタンを押すなどの簡単な操作だけで、(2)~(3)の作業からWindowsをシャットダウンするまでを実行し、サブディスプレイに新着メールを簡易表示することができるようにしたい。

■SideShowの搭載はノートパソコンの電池駆動時間に影響するのではないか。

 Prefaceを採用したSideShow機能を稼働させっぱなしにしても、ノートパソコンの電池駆動時間が短くなる割合は5%未満と見ている。Preface採用のSideShowは常に電源オンで利用することを想定しているので、非常に低消費電力な設計となっている。また、Windowsの電源ようにPrefaceにもサスペンドモードが用意されており、それを使えば電池駆動時間への影響はさらに少なくなる。サスペンドからは約1秒で復帰ができるので、ユーザーの利便性を損ねることもないはずだ。

■こうした機能は一般ユーザーにとって本当に必要なものなのか。また、Prefaceの搭載でパソコンの価格はどの程度上乗せされるのか。

 当社でSideShowの機能がユーザーから見てどのくらいの価値があるかリサーチしたところ、取り外し可能なタイプのSideShowは評価が高く、200ドルくらいの価値があるという結果が出ている。ユーザーからはMP3プレーヤーのようなものと見られているのだろう。
 価格については明言できないが、パソコン本体に組み込むタイプのものでは40ドル程度のプラスになる見通しだ。

■Prefaceを採用したノートパソコンはいつごろ市場に登場するのか。

 当社のプラットフォームは既に提供可能となっているので、あとはパソコンメーカーの開発状況による。2007年1月くらいには製品が出荷される見通しだ。3~4年後にはノートパソコンの半分くらいにはSideShowのテクノロジーが組み込まれているのではないか。