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 次世代テレビやAV機器向けの映像・音声入出力インタフェース規格「HDMI」の標準化を進める米HDMIライセンシングは2006年11月10日、最新規格「HDMI 1.3」の新技術を紹介した。HDMI(high-definition multimedia interface)は、パソコンと液晶ディスプレイを接続するインタフェース規格のDVIを発展させたもの。テレビとAV機器の接続に使い、1本のケーブルで映像と音声の入出力ができる。
 
 HDMI 1.3は、転送速度を従来の4.95Gbpsから2倍の10.2Gbpsに高速化した。RGB(レッド、グリーン、ブルー)各色の表示を従来の1色あたり8ビットから、10ビット、12ビット、16ビットまで対応可能にした。1色あたり8ビットで表現できる色数が約1677万色なのに対して、10ビットになると約10億色になる。最大解像度は従来の1920×1080ドットから2560×1536ドットに高まり、フレームレートは従来の最高60Hzから最高120Hzに高速化する。

 動画用の拡張色空間規格「xvYCC」に対応し、これまで表現できなかった色の再現が可能となる。米HDMIライセンシングの親会社である、米シリコン・イメージの戦略的事業開発部門の総括責任者ブレット・ゲインズ氏は「自然界のありとあらゆる色を再現できる」と語る。

 音声については、米ドルビーラボラトリーズが開発した次世代音声技術「ドルビーデジタルプラス」「ドルビーTrueHD」に対応する。ドルビーデジタルプラスは低いビットレートで従来と同等品質の音声を転送できる。例えばモノラル音声の場合、従来の「ドルビーデジタル」が64kbpsで転送していたのに対して、ドルビーデジタルプラスは半分の32kbpsで転送できる。

 ドルビーTrueHDは、「音声の劣化を100%防ぐ音声技術で、家庭で提供できる最高峰の音質だ。コンサート会場やレコーディングスタジオと全く同じ音を再現できる」(米ドルビーラボラトリーズの家電分野のシニアマネジャークレイグ・エガーズ氏)という。
 
 HDMI 1.3に対応する製品は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが2006年11月11日に発売する家庭用ゲーム機「PLAYSTATION 3」が初となる。ほかにも、東芝が米国で12月から発売するHD DVDプレーヤー「HD-XA2」がHDMI 1.3出力端子を搭載する。2007年1月に米国で開催される世界最大の家電ショー「CES」では、HDMI 1.3に対応するディスプレイやAV製品が多数発表される。

 ブレット・ゲインズ氏は、今後HD DVDドライブやBlu-rayドライブを搭載したパソコンが増えるとともに「2007年から2009年にかけてパソコンでのHDMI端子の搭載は大幅に増大する」と述べた。HDMI 1.3では、DVカメラやデジタルカメラ用のコネクターとして、新たに「Type C」と呼ぶ小型コネクターを提供する。

 現在、市場で販売されているハイビジョンテレビは、フルHDと呼ばれる1920×1080ドットの解像度に対応した製品がほとんど。HDMI 1.3が対応する最大解像度の2560×1536ドットには及ばない。2006年10月にはシャープが4096×2160ドットの64型液晶ディスプレイを公開している。HDMI 1.3の性能を最大限生かすには、このような高解像度液晶の登場が必須となる。