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 3Dグラフィックスの空間内で、土地を買い、モノを作り、販売する。50万人ものユーザーが第2の人生を演じ、あたかも現実世界のような経済の営みするネット上の仮想空間が「Second Life(セカンドライフ)」である。米国を中心に利用者が急増している同サービスを運営する米リンデン・ラボのロビン・ハーパー コミュニティー開発兼サポート担当副社長が2007年1月18日、来日して講演した。

 「Second Lifeはゲームではない」。登壇したハーパー氏は、冒頭でこの言葉を強調した。倒すべき敵がいるわけでも、特定の目的があるわけでもない。Second Lifeは、通常の世界で不可能であることを実現するための空間なのだという。現実の職業、年齢、性別は関係なく、自分の好きなように人物を演じることができる。空間内を歩き、飛び、テレポートもできる。建築物や乗り物、衣服などのオブジェクトを自由に創造できる。「現実世界にあるさまざまな壁を取り払った空間」(ハーパー氏)だというのだ。

 Second Lifeが多くのユーザーを集めている理由には3つの要素があるという。1つは「コミュニティー」。仮想空間内の分身であるアバターを通して自由に自己を表現し、他人との交流が持てる。2つ目は「クリエイティビティー」。建物、乗り物、アバターの衣服や頭髪といったオブジェクトは、ツールを使って作成できる。Second Life内に存在するオブジェクトはすべてユーザーが作り上げたものである。3つ目は仮想通貨リンデンドルの取引による「経済活動」。例えば、作成したオブジェクトをほかのユーザーに販売できる。広い土地を持っていれば、ほかのユーザーに貸し出して賃貸料を得ることも可能。リンデンドルは米ドルに両替でき、Second Lifeで現実世界の生計を立てているユーザーは「1000人以上、もしかしたら1万人」(ハーパー氏)だという。

 現実世界とは別の仮想空間と聞くと、一部のマニアのみが利用している印象があるが、実はごく普通の大人による利用が多いという。平均年齢は32歳、ユーザーの43%は女性。ユーザーの分布を国別に見ると、50%が北米、28%が欧州、11%がアジア、6%が南米。日本のユーザー数は1万4000人だという。付加サービスを申し込まなければ無料で利用できる。

 過去30日以内にログインしたユーザーは55万3000人。その期間だけで1000万のオブジェクトが作られ、90万回の販売活動があったという。有名歌手がライブパフォーマンスする、ユーザー同士でパーティーを開く、結婚式を挙げるなど各種イベントも開催されている。こうしたイベントの回数は1日で900にも達するという。

 日本語版の開発も進めており、1~2カ月以内には完成する見通し。そのほかの改良点としては、オブジェクトを簡単に検索できる機能や音声のチャット機能の追加をしていく。Second Lifeのクライアント用ビューワーはオープンソース化されており、オープンソースのコミュニティーと連動しながら不具合の修正、ユーザーインタフェースの改良といった作業を進めていくという。