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 文化庁は、文化審議会 著作権分科会 私的録音録画小委員会で抜本見直しが進められている私的録音録画補償制度について、当面の運用方針を明文化した新案を提案する方針を明らかにした。2008年4月3日に開催された同小委において、文化庁の担当者が新案をたたき台として今後の議論を進めることを提案、了承された。次回、5月8日の同小委で新案が出される見込み。

 同小委では、2006年から私的録音録画補償制度の抜本見直しを進めている。2008年1月17日に行われた会合では、事務局である文化庁 長官官房 著作権課が「著作権保護技術と補償金制度について(案)」という、A4判で2ページ強のペーパーを提示。私的録音録画を利用形態ごとに分け、個々の利用形態ごとに私的録音録画補償金から著作権保護技術(DRM)への移行を目指すことを提案した。具体的には、権利者の要請に基づくDRMが普及した分野から、順次契約ベースでの対価支払いに移行し、現行の私的録音録画補償金を段階的に廃止することなどを盛り込んでいる。

 この提案に対し、提案当日の1月17日の会合では大きな異論は出なかったものの、「提案内容が抽象的であるため、全容が明らかになるまで賛否を留保したい」とする意見が多く出ていた。また、ペーパーでは長期的な方針のみ明らかにしており、当面は私的録音録画補償金を継続するなどの暫定措置を採るとしているが、具体的な制度設計案が提示されていなかった。

 これを踏まえ、今回の会合では文化庁 長官官房 著作権課 著作物流通推進室 室長の川瀬真氏が「ペーパーの行間を埋め、詳細な制度設計を示しつつバージョンアップを加えた新案を作り、それを基に議論するのはどうか」と語り、新案をベースに議論を進めていくことを提案。委員らは「新案を示してくれることはありがたい。引き続きバランスある解を求めていきたい」(亀井正博委員)など大筋で同意。次回の5月8日以降の会合で、新案をたたき台として議論の集約を目指すことになった。

 川瀬氏は記者団に対し「これまで議論がまとまらず両論併記となっていた部分も、新案では一本化して提案する。とはいえ、1月17日のペーパーを基に新案を作成する上、これまでに長い時間を掛けて議論を重ねてきた以上、そう多くの選択肢があるわけではない。8月までをメドに議論をまとめ、早期に国会に提出したい」とコメント。残りの議論で大きな争点になる部分は少なく、早期のとりまとめが可能との見方を示した。