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【FeliCaの仕組み】

 「FeliCa」の活用分野が広がっている。FeliCaとは、ソニーが開発した非接触ICカードの技術。高いセキュリティを備えていることや、1枚のカードの中に複数の情報を持つことができるのが特徴だ。今では、JR東日本やJR西日本の電子乗車券「Suica」や「ICOCA」、コンビニエンスストアなどで利用できる電子マネー「Edy」など、多くの分野で使われている。NTTドコモの「おサイフケータイ」もその仕組みはFeliCaだ。

 少額決済用途として活躍の場を広げているFeliCaだが、セキュリティ分野での採用も増えている。鍵メーカーの美和ロックは5月、FeliCaを使ったドアキーを発売する。また、社員証にFeliCaを使い、入退室管理を行っている会社も多い。

【プリンター用のFeliCaシステム】

 業務用のプリンターの分野でもFeliCaを使ったセキュリティシステムの採用は進んでいる。キヤノンやセイコーエプソン、リコーなどプリンターメーカーは、プリンターに接続して使うFeliCaの認証システムを販売中。このシステムは、パソコンから印刷してもそのままでは印刷されない。プリンターに備えたFeliCaポートにFeliCaカードをかざすことで認証され、印刷が実行される。いずれも引き合いは好調だという。

 さらにNECと富士ゼロックスは5月から、FeliCaを使い遠隔地でも印刷を可能にするシステムの実証実験を開始する。作成した文書ファイルを文書管理用のサーバーに保存しておき、離れた場所にある営業所などのプリンターで、FeliCa機能を持つカードや携帯電話をかざして認証してから印刷する仕組み。NECでは「複数の営業所を持つ企業でも、簡単に印刷管理ができる」と話す。

コスト削減の効果も

 こういった認証システムは、基本的に全社的に導入する大がかりなものがほとんど。ところが、最近では各部署などからの要望で、導入するケースも増えているという。キヤノン イメージング システム テクノロジーズの認証システム「NetHawk DSSX」や、カシオ計算機が発売するFeliCaを使って認証できるプリンター「N3500」などは、そのような中小規模のマーケットも狙った製品だ。導入費用も10万円程度からと大規模なシステムに比べて安い。

 こういった動きが顕著になってきたのは、プリンターの認証システムがセキュリティだけでなくコスト面でも効果があることが、最近になって認知されてきたためだ。

【認証システムでコストの節約】

 会社で文書を作った際、取りあえず印刷しておいて、取りにいかなかったという経験は誰にでもあるだろう。実は、この印刷無駄はかなり大きい。仮に1日30枚ほど無駄な印刷があれば、1年では10万円以上余計なコストがかかる計算になる(カラー1枚14.5円、1カ月に20営業日とした場合)。

 FeliCaを使ったシステムを使えば、プリンターの前まで本人が出向き、FeliCaカードをかざして認証作業をしないと印刷されない。そのため「セキュリティだけでなく、無駄な印刷を減らすのに大きな効果がある」(カシオ計算機)という訳だ。コスト削減にも効果があるFeliCaを使ったプリンターの認証システムはまだまだ伸びていきそうだ。