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 インクジェットプリンターにはインクの残量を表示する機能がついています。「残量が少なくなっています」といった表示を見てインクを交換しているユーザーも多いでしょう。ここではセイコーエプソンとキヤノンの両社がどのような方式で計測しているのかを説明します。

 まず、セイコーエプソンの場合です。同社のインクジェットプリンターは、インクの消費量を計測してICチップに記録する「ドットカウンター」式を利用しています。この方法では規定している消費量に達すると残量を表示します。「残量に関して誤差が生じることは基本的にない」(エプソン販売)としています。

【ドットカウンターでインク量を計測】
セイコーエプソンのインクジェットプリンターでは、インクの残量は、カートリッジから出て行くインクの排出量をチェックしてICチップに記録する


 ご質問にあった「インクがまだ残っていた」というのは、次の理由によるものです。同社のインクジェットプリンターは、ピエゾと呼ばれる圧電素子に電圧を加えて、インクを小さいノズルから吐出させて印刷する方式を採用しています。この方式では、インクカートリッジが空になってヘッド内に空気の泡が入ると、きれいに印刷できなかったり、さらには故障の原因にもなります。

 そのため、所定の印字枚数に相当するインクを消費したら「残量なし」の表示をするようになっています。「購入価格分のインクは適正に印刷に使用され、残っているのはもともと多めに入れてあったインクで、ヘッドを守るためのもの」(エプソン販売)というわけです。

 同社のインクカートリッジは不透明になっているため、残量を目視することはできません。残量表示に従って交換するのがお勧めです。

【残量表示はほぼ正確(セイコーエプソンの例)】
セイコーエプソンのインクジェットプリンターは、インクカートリッジが不透明。表示された残量表示に従おう


 一方、キヤノンのインクカートリッジは透明で、内部が2つに別れており、片方にインクを含ませたスポンジを内蔵しています。

 同社のインクジェットプリンターの多くは、「光学式検知」「ドットカウンター」の2種類の方式を使ってインク残量を測定しています。

 まず最初は光学式を利用します。スポンジが内蔵されていないインクカートリッジの内部にプリズムを設置し、光を当ててその反射角度の違いによってインクの有無を調べます。こちらはかなり高い精度で検出が可能で、インクが空になると「少なくなっています」と表示が出ます。

 次に、スポンジに含まれるインクの消費量を計測します。こちらはセイコーエプソンと同様、ドットカウンター式です。インクが規定量に達すると、「インクがすべてなくなりました。交換してください」という表示が出るようになっています。また、同社のインクカートリッジは透明なので、最後は目視して納得がいくまで使い切ることが可能となっています。

【残量表示はほぼ正確(キヤノンの例)】
キヤノンのインクジェットプリンターでもプリンターに付属するユーティリティソフトで、インクの残量をチェックすることができる。インクカートリッジが透明なため残量を視認できる