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 ネットを通じての動画ニュース配信が充実し、忙しい人が快適ライフを送るのにまたとない時代が来ている。日本時間の深夜から早朝にかけて繰り広げられているサッカーW杯ドイツ大会。見ている時間がなかった人にも、翌朝、ダイジェストやハイライトシーンをオンデマンドで見られるサイトがいくつもあり、重要なポイントは克明に抑えられる。これらの動画、Macで視聴可能なところも多いのだが、Intelチップを搭載した最新型のMacでは視聴できないことが多く、苦労を強いられる。

試合後、ハイライトシーンを心ゆくまでチェック

 FIFAから正式に動画配信を受け、即座に編集して掲載するサービスの例としては、次のようなサイトがある。

FIFAworldcup.com <http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/>
ドガッチ<http://dogatch.jp/>
サポーターズスタジアム<http://Sports.Nifty.Com/saposta/>
スカパー!BB<http://spbb.jp/>
MSNジャパン<http://www.msn.co.jp/>

 この中での一番のおすすめは「サポーターズスタジアム」だ。Intel Mac上でサクサク視聴できるうえに、動画クリップに広告などが挿入されず、実に快適に楽しめるからだ。ゲーム全体のダイジェスト動画に加え、その試合中のハイライトシーンが適切に配置され、いつでも見たいシーンにダイレクトアクセスできる。

 それ以外のサイトはいろいろと欠点が目に付く。FIFAworldcup.comはきちっとレイアウトされた再生画面が現れるが肝心の動画が真っ黒に表示され絵が出ない。MSNジャパンは「ブラウザアプリケーションが違うので表示できない」とメッセージが出て、門前払いをくらう。

 ドガッチは番組視聴はできるが、テレビ局と広告会社が出資して運営しているだけあって、広告がクリックするごとに現れ、かなりうるさい。それなら見たい情報に素早くアクセスできる「サポーターズスタジアム」が忙しいひとには向いている。

 視聴可能なサイトの話を先に持ってきてしまったので、どこが苦労なのかと思われるかも知れない。タネあかしを先にしてしまうと、これらサイト(MSNを除く)が比較的簡単に再生可能なのはストリーミング型式としてMacromedia Flashを使っているからだ。Flash プレイヤーの機能はすでにIntel Macの標準ブラウザ「Safari」や「Firefox」に組込まれており、たいていの場合うまく再生できる。

 しかし、頭が痛いのはマイクロソフトのWindows Media型式の動画だ。米マイクロソフトはMac向けWindows Media Playerの開発を中止しており、Intel版Mac上ではネイティブ動作しない。

Intel版Mac上ではWindows Media 対応コンテンツは再生困難

 Windows Media Playerその物はIntel版Mac上でも動作はする。しかし、それはPower PC用のコードを翻訳しながら動かすことができる「Rosetta」のおかげだ。しかも、それができるのはWindows Media Player単体で動作しているときのみだ。

 Intel Mac向けにコンパイルされた「Safari」や「Firefox」の中では「Rosetta」を必要とするWindows Mediaプラグインは動作しない。

Windows MediaコンテンツはSafariで再生できない。「Windows Media Player」で再生できるかも、という思わせぶりなメッセージも書かれているが、たいていの場合、うまく行かない


 Intel向けにコンパイルされた「Safari」や「Firefox」を無理やり「Rosetta」の中で動かせば、Windows Mediaプラグインを「Rosetta」モードで動かすこともできる。しかし、それではせっかくのパフォーマンスの良さを失ってしまうし、Javaコンテンツが動かなくなるなど、失うものが大きい。

 マイクロソフトは今後Mac向けWindows Media Playerの開発はしないと明言しており、このままでは永久にMac上のブラウザ内でWindows Mediaコンテンツは再生可能になることはない。

解凍ソフトもないなんて

 さて、動画配信サイトの多くで採用されている型式には「Windows Media Player」向けと「RealPlayer」向けのものが多い。たとえばNHKの動画ニュースはこの二つの型式のどちらかで再生する必要がある。

 しかし、モノは試しと、マイクロソフトのサイトから最新版のMac向けWindows Media Playerをダウンロードしてみた。プレイヤー側にコンテンツを流してやれば、あるいは視聴可能になるかも、と考えたからだ。しかし、それからが大変だった。

 まずはダウンロード終了後、ファイルを解凍しようとダブルクリックしたら、「Windows Media.sitxを開くためのアプリケーションがありません」とのメッセージ。

 Intel Macに添付されているMac OS X 10.4.4には、以前には添付されていた解凍ソフト「StuffIt Expander」が入っていないのだ。だいたい、「Windows Media.sitxを開くためのアプリケーションがありません」と警告を受けても一般の人にはそれが何なのか、きっと意味が分からないだろう。

 さて、このソフトが必要であることを知らない人はどうやって見つけ出すことができるのか? 初心者の気持ちになって、試してみた。

 まず、アップルコンピュータのサイトに行き、サポート情報がありそうな「サポートタブ」をクリック、
続いて「サポートタブ」の下位に位置する「ダウンロード」カテゴリを選ぶ。

 続いて、ダウンロードトラブルに関する情報が集まっていそうな、「ダウンロードQ&A」をクリック。

[ダウンロードしたファイルについて]の項目の中に、

Q sit file icon ダウンロードしたファイルの名前の最後に、.hqxや、.sit、.binなどがついているのですが、どうすればいいのですか?

 という質問を発見。今回私がダウンロードした「….sitx」とはちょっと違うが、その答えを読むと、「StuffIt Expander」なるソフトを使えばよいらしいことが分かる。

 文中に紹介されているダウンロードリンクを辿ると、日本の代理店「Act2」のサイトにつながる。そこからリンクされている本家サイトからダウンロード、ようやく「Windows Media.sitx」を「StuffIt Expander」で解凍することができるようになる。

 ふう、ここまでで小一時間、アップルさん、ユーザにこんな「Long and Winding Road」を強いるようじゃダメじゃないですか。

 勇躍、Windows Media Playerのインストールした後、Safariを「Rosetta」モードで立ち上げ(注1)、NHKサイトのWindows Mediaコンテンツを開くと、動画ニュースが表示されるようになった。しかし、Javaコンテンツがあるサイトなどに行く場合はまた「Rosetta」起動モードをオフにしなければならないなど、不便がともなう。

RealPlayerはIntel Mac版あり、こちらはオッケー

 NHKサイトにはもう一つRealPlayerで再生できるコンテンツも配置してある。RealPlayerにはIntelMac対応版が既にリリースされている。これをインストールしてやればSafariなどで再生可能なはずだ。

 しかし、ここでもまたドツボにはまってしまった。

 NHKサイトに置いてあるRealPlayerダウンロードリンクをたどり、無償プレイヤーを探し出し、ダウンロード。ところが、ダウンロード終了後にでき上がったファイルを見てみると、「RealPlayer10-5GOLD_ja.exe」。なんとWindows機向けのファイルがダウンロードされてきているではないか。RealNetworks社のサイトが何らかの検知機能を使って、リクエストしてきたユーザに最適なアプリケーションを流してくれるようだが、ここに何らかの手違いがあるらしい。

 幸い、私の場合、毎月13.74ドルを払ってRealNetworkのSuperPassサービスを利用している。このアカウントがあれば有料版のRealPlayerのアップデート版が再ダウンロードという形で無償で手に入る。

 と、まあ、こういう形でなんとかIntel Mac版RealPlayer 10をダウンロード、インストールしたところ、Safari内のウインドー上でNHKニュースビデオが流れるようになった。

Mac上の仮想Windows内では悔しいけどスムーズ

 ま、とにかく、そんなこんなで、思いがけず紆余曲折。Intel版Macで動画像を見るのは場合によってはとても手間がかかるか、あるいは不可能なことが分かってぐったりだ。

 以前に書いた通り、Intel版Mac上で仮想Windows実行環境を作ってしまうParallels Desktop for Mac上でこれらの動画を再生するのは実にスムーズだ。Windowsが動いているのだから当たり前だが、Windows Media Playerやその上で著作権管理を行うDRMにも対応し、ほとんどの場合問題無く再生できる。

 こうした環境作りができる人なら難なくこうしたやり方もこなしてしまうかも知れないが、Macでパソコンの操作を覚えたMac育ちのユーザが、Windows XPを買ってきてParallelsの上にインストールするのは負担が大きい。

 ネット動画の再生などについてはQuickTimeの開発などをみても明らかなように、Macの方が先行していた。しかし、サーバー環境、著作権管理システムなどの関係でWindows MediaやRealPlayerにかなりのシェアを奪われてしまった現実がある。こうなるとやはり、Mac OS X環境の標準としてさまざまな動画コンテンツを再生できる環境を組込む必要がありそうだ。

 次期Mac OS X、LeopardにWindows環境が融合するとなると、やはり、このあたりが優先課題になってくるのだと思う。

(注1)Intel版Mac、Power PC両方向けにコンパイルされたアプリケーション(Univaersal Binary版という)を無理やりPower PCモードで動かす方法。「Finder」でアプリケーションを選択、「情報を見る」を選ぶと、写真(写真2)のような画面が出る。この中の「Rosettaを使って開く」のチェックマークをオンにする