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私は2週間、Microsoft Office 2007 Beta 2を動かしてみた。以前はOffice 12と呼ばれていたやつだ。使ったマシンはSativaで、これは64ビットのWindows Vista ベータ2を載せている高速のAMDシステムである。

しかし、こういうやり方は間違いだとわかった。ベータ版のアプリケーションをベータ版のOSで動かして評価すべきではない。とどのつまり、私はOffice 2003に逆戻りするはめになった。いきさつはこうだ。

マイクロソフトのやり方で最も賞賛すべきものの1つは、ある製品が十分に安定したら、それを社内の実用マシンで動かすということだ。マイクロソフトのキャンパスにある実用マシンのほとんどが、今ではOffice 2007を実行しているはずだ。さまざまな報告があるが、おおむね皆が満足している。

確かにOffice 2007は便利だ。問題はOfficeを常用しているユーザー、つまりOffice 2003に慣れているユーザーにとって、Office 2007に乗り換える理由があるのか、ということである。マイクロソフトの働きバチたちには、その選択権はなかった。

しかし、われわれには選択権がある。私は1989年からOfficeを使っている。シマンテック社がQ&AをWindowsに移植しなかった(編集部注:当時、シマンテック社はQ&Aというワープロソフトを発売していた)ため、仕方なくラリー・ニーブンと一緒に乗り換えたのだった。

フォントが見苦しい

Vistaを動かすために手持ちのマシンを改造したいと思う人はほとんどいないだろう。Vistaが実際に登場して少し経てばそういう人も出てくるかもしれないが、ほとんどの人はVistaがプリインストールされた新しいマシンを買った時にVistaを使い始めることになるだろう。古いマシンでもVistaが動くように改造されるのはまだ先のことだろう。

Office 2007の場合は違う。Officeの旧バージョンはVistaで良好に作動する。Open Officeもそうなるだろう。これはOffice 2003のおよそ半分しか機能がないが、無料である。以上のことを念頭において、私は新しいプロジェクトに乗り出した。

私はNorton Save and Restoreを使って、AnastasiaとWendyのディスクイメージを作成した。AnastasiaはAMDデュアルプロセッサーの通信用マシンで、Outlook 2003を実行している。Wendyはメインマシンの1つで、Word、PowerPoint、ExcelといったOfficeのアプリケーションを動かしている。

この2台のマシンにOffice 2007をインストールして、実際の仕事に使ってみよう考えたのだ。これは公正なテストだと思われる。ただし時間もかかる。そこで、Satine/Sativaで実験を行った。

つまりNorton Save and Restoreを使って、非常に高速で高性能のWindows XPマシンであるSatineにイメージ修復ポイントを作成した上で、それをVista 64マシンとしてのSativaに改造した。それからOffice 2007をインストールする。このSativaをメインのワークステーションとして使い、Office 2007でこのコラムを書こうとした。

それはすぐに挫折した。Office 2007は問題なく私のWord 2003文書をロードしたが、それが画面に表示されると、この上なく見苦しかった。

私は何時間もビデオの設定をいじくり回した。ClearTypeがオンになっているか確認した。その見苦しいテキストを見たときに、ClearTypeが発明される前のものに似ていると思ったからだ。それは無駄だった。

私が見苦しいテキストと言うのは、文字がちょっとぎざぎざになり、私が好きなジョージアフォントのひげ飾りがゆがんで見え、全体として見た感じがすっきりしないということである。これを直そうとする試みは、完全に徒労に終わった。

新しい機能の価値が分からない

一方、Word 2007はすっかり変わってしまった。以前のツールバーはなくなった。われわれが慣れているアイコンはほとんどなくなった。テキストの制御機能はまったく新しく並べ変えられており、何かしようとするたびにメニューが変わっていることに気づく。

しばらくすれば慣れると言われたが、それを聞いてマーク・トウェインの皮肉を思い出した。「長い間吊るされていれば、吊るされることに慣れる」。これは不公正だと思う。

しかし実は、私は別のことに気づいていた。新しい書き方を学ぼうという意欲がほとんどわかないのだ。Word 2007には、私がWord 2003で気に入っていた機能より好きになったものが一つもなかったからだ。そして、その見苦しいテキストは、見るのもいやだった。

結局、Norton Save and Restoreのディスクを取り出し、SativaをSatineに戻すようNortonに命じた。それには1時間かかったが、すべて順調に進んだ。私は今、SatineでWord 2003を使ってこれを書いている。テキストは再び美しくなったので、ハードウェアに問題がなかったのは確かだ。

Office 2007には新機能がたくさんあるようだ。それらがどんなものか、私は知らない。私が知っているのは、Office 2007に乗り換えるのは苦痛であり、それをやろうという強い動機がなく、それを使い込みたいとは思わない、ということである。

Wordにあるすべてのものを変えるだけの理由が、マイクロソフトにあったのは確かだ。それらの理由のいくつかを列挙することさえできる。Wordがどんどん大きくなっていくにつれて、追加された新機能は、違うメニューの違う場所に入れられた。

しかし、それらの新機能は必ずしも最適の方法で配置されてはいなかった。その結果、機能がごちゃまぜになって、頻繁に使っていないと見つけることができない。これをリセットし、すべてを論理的なやり方で再編成した方がいいと考えたに違いない。

たぶん、そうだろう、ただし、私は知らない。問題は、私がそのごちゃまぜにすでに慣れてしまっていた、ということである。