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カヤックスタイルのひとつ「サイコロ給」。
それはカヤック独自の給与制度です。

今年に入ってから、この制度へのメディアからの取材が増えました。

設立当初(8年前)から取り入れている仕組みなので、僕たちにとっては至って当たり前のこととなっています。しかし、世間一般からすると、サイコロをふって給料を決めるというのは相当珍しいことなのかもしれません。

サイコロ給は、決して奇抜さを狙って取り入れた仕組みではないのです。
今回はそのことについて解説します。

サイコロ給の仕組み。

・毎月、社員全員が給料日前にサイコロを振ります。
・基本給×サイコロの出た目%を、運命給という手当てとして、基本給に+アルファ します。
(例、基本給30万の人が、6を出したら18,000円が追加されます)
・サイコロタイムに外出している人間は、誰かに『代振り』を頼みます。

この他にも、3ヶ月連続同じ出目がでたら、3ヵ月目はその目の倍になるとか、1年に1度その年もっともAverageの低かった人間が表彰されるとか、付随する細かいルールがあります。概略としては、「給料が減るわけではなくちょっとしたおまけがサイコロの出目によって加わる」仕組みと考えていただきたいと思います。

この仕組みを導入した意図は、

「人間が人間を評価するのは難しいもの。そもそも、人事査定なんて評価する人間の感情1つで平気で変わってしまうもの。
その感情的な要素の振れ幅なんて、サイコロで給与を決めた場合の振れ幅と対して変わらないのでは?だったら、こういったファジーな仕組みを入れたい。自分に対する評価ごときで、一気一憂せず、楽しく行こうじゃないか・・・」

そんな発想から生まれたものです。

また、カヤックは、もともと学生時代の友人3人と始めた会社です。若いころは価値観が同じでも、将来的にはどうなるかわからないことは当然理解していましたし、それぞれの成長やパフォーマンスが、大きく異なってくることもありえます。それぞれの家庭環境が変われば、お金に対する価値観も変わることだってありえます。だから、それはそれとして、その都度、相談して決めればいいと考えていました。ですが、そのような局面になった際にでも、給料に対して共通の価値観をもっておくべきであり、そのシンボリックとなるものが、3人で考えたこのサイコロ給なのです。それを、そのままカヤック社員全員に適用しているというわけです。

正直なところ、人事評価や給与査定は、僕個人にとって一番悩むところです。そういったことを自分がすること自体がおこがましいという気持ちがあります。
どうしたって感情的なことが、加味されてしまうのが当然です。

人事評価は、公平でフェアな仕組みが一般的に求められているようです。でも、フェアな仕組みってそもそも何なのでしょう、何をフェアと感じるかどうかの前提そのものが人によって違います。たとえば、上司や部下問わず全員がみんなでその人を評価するって仕組みも、その方法がフェアだと感じる人たちが集まっている組織なら機能するかもしれませんが、僕個人としてはその仕組みには正直ピンときません。