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最近はパソコンに付属の文書編集ソフトも随分進化し、ちょっとした文書作成なら特別な日本語ワープロソフトを使わなくても十分な時代となった。しかし、美しい雑誌の誌面にも引けを取らない「日本語組み」に挑戦しようとすると、途端にその非力ぶりが露呈する。

先日もある先輩から、同人誌をパソコンできれいに印刷したいが、どんなソフトを使うのが良いかと相談されたことがある。「縦組み四段、写真なども入れて、シャープにレイアウトしたい」。四段組、縦書きと来ればMac OS X標準の「テキストエディター」、Windows XPで言えば「ワードパッド」などでは歯が立たない。だったら、やはり、本格的なDTPソフトが必要なのでは、とその先輩。

Mac向けワープロの「イージーワード」が生まれ変わった

本格的なDTPソフトを使いこなせれば、確かにそれに越したことはない。しかし、プロ向けのソフトとなれば相当値が張る上に、使いこなしにはかなりの技量を要する。仕事として雑誌の制作や編集に携わる人ならともかく、普通のパソコンユーザには荷が重い。

そんなユーザーにうってつけのソフトが7月28日に登場する。Mac向けの日本語ワープロの老舗中の老舗、EGWORDの新版「egword Universal」だ。

EGWORDは1984年1月、Macの姉貴分Lisaのために開発が始まった。世界で初めてグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)をパーソナルコンピュータの世界に持ち込んだLisa上で、パソコンを始めて触る人でも違和感なく使えるようにと、いち早く開発が始まったのがEGWORDだった。EGWORDはまさに、GUIを使った世界初の日本語ワープロだった。

さて、その新版はMac OS Xの新しいプログラミングの枠組みである「Cocoa」に最適化するようにいちから書き直された。開発にかけた期間は実に2年間。Mac向けの大型プロダクティビティソフトでは一番乗りだ。マイクロソフトもアドビもまだたどり着いていない新天地だ。

同じMacプラットフォームでのアプリケーションだから素人目には書き直しは大したことはないように思える。しかし、実はそれが大変だ。Mac OS Xとそれ以前のMac OSではOSの基盤がまるで異なる。前者はUNIX、後者は約20年の長きにわたってMacを支えてきた「古き良き時代のPC OS」だ。開発言語も一般にあまり使われることのないObjective-Cと呼ばれる言語。これは現Steve JobsアップルCEOがかつて手塩にかけて育ててきたNeXTの基本開発言語だ。

新しい開発環境に移行するには、技術者の頭のスイッチを切り替えるところから始め、Mac OS Xが備えるアプリケーション基盤(API)に書き直し対応していく必要がある。開発会社にとっては膨大なコストのかかる荷の重い移行だが、この壁を乗り越えると、良いことが山のように待っている。

Mac OS Xの特徴である洗練されたデザインをアプリケーション全体に反映させることができる、UNIX基盤の持つ安定性や現行ハードウエアの性能をフルに引き出すことができる、将来MacintoshとそのOSがさらにアップグレードされた場合にも、そのまま(あるいはごく少ない手直しで)マシンの持てる性能をフルスペックで引き出すことができるといったメリットだ。

なかでも、特筆しておかなければならないことは、新型のMacに積まれているIntelのCPUに最適化したアプリケーションに仕立てることができる点だ。これをアップルではUniversal対応と言っている。Univarsal対応のアプリケーションをIntel版のMacで動かしたときには、そうでないアプリケーションに比べ4~5倍程度スピードアップが望める。

というわけで、Univaersal対応となったegwordは本当にきびきび、滑らかに動くアプリケーションに生まれ変わった。

すぐにでも体感できるのはその立ち上がりのスピードだ。Mac OS Xでアプリケーションのアイコンをダブルクリックすると、何回かバウンドした後にアプリケーションが立ち上がってくるものだが、今度のegwordは一回バウンドして、アプリが立ち上がってくる。たった数秒の違いなんて我慢しろよという声も聞えて来そうだが、スパッと動いてくれるとこれが精神衛生上、とてもいいのだ。

DTPソフト並の日本語組みができる新版egword

で、肝心の中身だが、今日のテーマである組版の美しさは素晴らしい。今度のegword Universalには、日本語のDTPをする際、美しく活字を並べるルール「JIS X 4051組版ルール」に準拠したエンジンが組み込まれた。日本語組版ルールとは、鍵括弧、丸括弧、句読点など(専門的には約物と呼ぶ)が連続して現れる際に適度に詰める機能、行末、文頭に句読点、英数字などが来てしまうときに、禁則処理を施した上で、左右の組面がきれいに並ぶよう調整する機能などのことだ。「日本語組版ルール」が、本格的なDTPを目的としたソフト以外に組み込まれたのは、DTPが得意なMac初の快挙と言ってよい。。

こうした日本語組版ルールが組み込まれていない日本語ワープロを使うと、字間パラパラ、組み面(ツラ)ガタガタになってしまう。本格的なDTPソフトにはこの機能が組み込まれており、読みやすい紙面作りをすることができる。実は、本格的DTPソフトならそれだけではなく、文字ごとにさらに適度な詰め(カーニング)を行う機能などが付随している。自ずと性格の違いはあるものの、職業として商業印刷物を作るのでなければ、自動で組み面を合わせてくれる機能だけで十分だ。

これなら、組み版の知識の無い一般人であっても、高価な専用DTPソフトを購入し習熟しなくても、立派な同人誌が編集できる。

高速動作が実現したライブ感

Intel版Macでegwordを使うと、その動きの滑らかさに驚かされる。文字組みを行った後、レイアウトを変更すると目の前でスルスルと画面レイアウトが変わり、文字サイズがリアルタイムで変わって行く。パラメータを変更し、「適用ボタン」を押すと、変化が反映される多くのワープロと全く異なる感覚だ。これは本当に分かりやすい。自分が操作している状況がライブで変化するのだから、これほど分かりやすいユーザーインタフェースはない。

文字の大きさ、スタイル、行間など、組み版要素がリアルタイムで変化していくのは見ていても面白い。
機能がてんこ盛りだから、ソフト全体を使いこなすには少々時間がかかるかも知れないが、徐々に攻略していけばなんてことはないだろう。

物書き、俳句読みのためのワープロ

もう一つ、嬉しい仕様がある。縦書き、レイアウトグリッド、原稿用紙モードだ。レイアウトグリッドとは、1行の文字数、行数を指定して文書テンプレートを用意する機能で、筆者のように雑誌や新聞などに寄稿することが多い人には大変便利なものだ。レイアウトグリッドモードならさらにそれを画面上に複数段表示する段組機能があり、「15字×300行」などといった原稿が画面一杯に執筆できる。

しかもCocoa&Universal対応だから1000ページに渡るほどの大量文書も、ストレス無く編集できる。小説家や大量の論文を書く研究者などに向くソフトにもなっている。

もう一つ頼もしいのは、原稿用紙モード。「縦書き」で「原稿用紙」をセットすると、まさに市販の通りの原稿用紙が画面上に現れ、1行の行数などを指定して書き始めることができる。俳句や短歌などを趣味にしておられる粋人にも、これは嬉しい。

現在、開発元のエルゴソフトは、出荷に向けて大忙しだが、30日間試用できる体験版を配布中だ。果たしてどんな仕上がり具合か、試してみてはいかがだろうか?