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「なんだあ、こりゃ。またダメか!!」
 どうしたのミヤモトくん、大きな声出して。
「よお、ナカノくん。午後の会議で使う資料のWebサイトなんだけどさ、担当に渡したら『右端が切れてますから印刷し直してください』って言われちゃってさ」
 あー。IE(Internet Explorer)ね! 右端、切れるのよねえ。

「ちょっとぐらい切れたっていいじゃないか。なあ?」
 よくないわよ。肝心なところが切れて読めなかったらまずいでしょ、資料なんだから。切れちゃダメでしょ!
「ナカノくん、キレてる?」
 キレてないわよ。
「あ、惜しいな。長州小力なら『キレてないですよ』って言わなきゃ」
 誰が長州小力よ!
「あっ、今キレたよね?」
 もうっ。印刷したの、ちょっと見せて。“昨年秋からの売り上げ急増の原動力は……であった”。一番肝心なところが切れてるじゃない!

「みんな想像力が貧困だね。ここがわからないからこそ会議の議題になるんじゃないか。『さてここで問題です。売り上げ急上昇の原動力はなんでしょう? 1)努力、2)根性、3)友情』」
 東京タワーのおみやげじゃないんだから。
「しかしなあ。IE以外のアプリケーションじゃ、あんまりこんなこと起きないよねえ」
 そうね。IEも7.0からはウェブページを用紙ピッタリに印刷できる初期設定に変更されるそうよ。
「ふーん、なるほど。右端が切れるのは、IE6.0までの仕様ってわけか。マイクロソフトらしいなあ」

 IE6.0でも家のインクジェットなら切れないで印刷できるのよね。
「え、そうなの?」
 インクジェットプリンターには、メーカーが作ったソフトがCD-ROMでついてくるでしょう。たいていはその中に、用紙ピッタリにウェブを印刷する機能も入ってるのよ。
「はー。そうなんだ。家でウェブを印刷することなんてないからなあ。地図とかクーポンとか全部会社で印刷するから」
 ミヤモトくん!!
「うははは、ごめんごめん。ああー、しかしめんどくせえー。何回印刷すりゃいいんだ」

 ……ねえミヤモトくん、まさかとは思うけど、ここに重ねてあるプリントアウト、全部失敗した分?
「そうだよ。困ったもんだね」
 困った人はあなたよ。いつもいつも無駄なミスプリント出して。また怒られるわよ!
「総務の“もったいないオバサン"に?」
 そうよ。あ、ここにいて見つかったら、わたしも一緒に怒られちゃうわ! それじゃ!

「待ってよナカノくん。ちょっと教えてくれよー。どうしたら右が切れずに印刷できるのかな?」
 印刷する前にちゃんとプレビュー画面で確かめた?
「プレビュー? 何それ? そんなもの使ったことないな」
 ホントにおおざっぱな人ね……プレビュー画面で全体が印刷可能領域に入ってるかどうか見なきゃ。
「カンでなんとかなるんだけどなあ、たいていは」
 カン?
「そうそう。右側余白をあと2ミリ増やしてみよう、とかさ、それで一発よ! そのへんのカンには自信があるんだ」
 それはすごいけど……ちょっと待って。“あと”2ミリって、それ何度も小刻みに余白増やしてない?“一発”じゃないでしょ、それは!
「あははは、バレた?」
 じゃあねっ!

「ごめんごめん、怒らないでよ。ね、どうもこのサイトはカンだけじゃうまくいかないみたいなんだ。頼むから。右端が切れないで印刷する方法、教えて」
 プレビューも見ない人に教えたくない。
「わかったよ、これからはプレビュー見るから。ね!」
 しょうがない人ね。教えてあげる。まず、印刷画面になってもあわてて[印刷]ボタンを押さないで、プリンターのプロパティを開いてみて。それで「原稿サイズ」とかなんとか書かれているところを“A3”または“B4”にするの。それから「出力用紙サイズ」みたいな項目を“A4”に設定して印刷してみて。縮小されるからA4におさまるはずよ。
「おー。ありがとう! さすがはナカノくん! すごいな!」
 おだてても何も出ないわよ。

「でさ、ナカノくん、ついでに一つ頼まれてくれない?」
 何よ。
「聞いただけじゃわかんないから、ボクのパソコンでそのおまじない、やってくれない?」
 ……いっそここまで図々しいと清々しいくらいね! どこどこ! やってあげるから案内しなさいっ!