PR

iTunesに貯め込んだデータが60GBを超え、オーディオセットの上に置いたMac miniが身動き取れなくなってきた。そんなときアイ・オー・データから格好の製品が登場してきた。4台のハードディスク(HDD)を内蔵、容量は1ないし2テラバイト。電源を入れたままHDDのホットスワップにも対応。LANに差し込むだけでMac OS Xからも利用可能、となれば、人柱覚悟で買うしかないな、と。

1テラバイトモデルで購入価格9万9800円

LANに接続するだけで即座にストレージサーバーになる製品、いわゆるNAS(Network Attached Storage)の一種だが、最近のLAN接続型のハードディスクは素晴らしい機能がてんこ盛りに装備されている。4台のHDDユニットを一つのボリュームとして認識するとともにデータ復元のためのパリティデータを保存するRAID 5モードはもちろん、ユニットを2台ずつ2つのボリュームに分けて同時にデータを書き込むミラーストライピングモードなど。

しかも、今回、9月下旬から出荷開始されたアイ・オー・データのHDL-GTシリーズでは1台のユニットをリムーバブルカセットとして設定し、装置に電源を入れた状態で差し替え(ホットスワップ)に対応するというおまけ付きだから、私のように写真やビデオコンテンツを頻繁に扱う人間にはとても自由度が高くて、買い要素となる。

さらにMac OS Xとの相性が良いのも買いの要素だ。Macのafp(Apple Filing Protocol)に対応しているのはもちろん、サーバーの設定もMacでできるのがよろしい。これまでも同趣の製品は既にあったが、ホットスワップ、Mac対応のきめ細かさなどで買いポイントは一気に高まった。

秋葉原のヨドバシカメラで1テラバイトモデルが9万9800円。私のように古い人間にとってはテラバイトで10万円を切るなんて身震いするほどだ。テラバイトサーバーって5千万円はしたでしょ、って感覚が身に付いてしまっているからつい衝動買いを。

どうせなら2テラバイトモデルにしちゃえば、と頭の中で悪魔がささやきかけるが、1テラバイトもあれば取りあえず手持ちのデータは全部退避できるはず、もし間に合わなければ、将来HDDユニットが値下がりしてから、差し替えるという戦略も取れるのではと計算して1テラに。

さらに、本体に装備されたUSBポートやeSATAポートに最大4台のハードディスクを外付けすることもできる。これなら容量不足に悩むことはまずないだろう。

実はこういう製品はHDDユニットの一部にサーバーシステムのOSに当たる部分が組込まれていて、単純に大容量ユニットに差し替えられないこともある、しかも、RAIDを組むため各ユニットは同じサイズのものを用意しなければならないなど、いろいろな制約がある。

しかし、上述したようにこの製品では1基をリムーバブルストーレージ扱いにできる。この部分だけは大容量ユニットが安く買える時代が来てから差し替えて行けばいくらでも倉庫を拡張できるはずだ。これが可能かどうか、まだ検証していないが、いずれ成功したらまたレポートすることとしよう。

設定はあっけないほど簡単

さて、接続だが、これは本当にあっけない。ただ壁のLANコンセントに刺すだけ。わが家には各部屋にLAN回線を配分するためブロードバンドルータを設置しているがこれがネットワーク機器にIPアドレスを自動配信してくれるDHCPサーバーの役割をしてくれているので、HDL-GT 1.0に付属のLANケーブルを壁のLANコンセントに刺し、電源を入れるだけで、Mac OS X搭載機、Windows XP搭載機のどちらからでも利用可能となる。

ただし、工場出荷時には内蔵する4基のHDDユニットを1つのボリュームとして認識し、パリティと共に記録するRAID 5モードになっているので、これをRAID 5+FAT/NTFSモードに変更してやる必要がある。要するに3基のHDDでRAID 5構成、残りの1台をリムーバブルユニットに設定するというわけだ。

これもMacのWebブラウザから設定することができるので、何の困難もない。Mac OS XのFinderからネットワークを選べば「LANDISK」が見えてくる。LANDISKとは、この製品がデフォルトで用意してくれているサーバー名だ。もちろん、自分用に付け直すこともできる。

速い速い! 内蔵ディスクと同じくらいかな?

この製品はギガビットイーサポート(1000BASE-T)搭載、現在私の愛用しているMacBook ProやiMacなどにも1000BASE-Tがついているから、ギガビットスイッチまで用意すれば最高性能が出せるはずだ。しかし、ビデオカメラで撮ったDVデータをLANDISK側においてMac標準のビデオ編集ソフトiMovieで編集を試みたところ、支障なく編集作業ができた。場面のトランジション設定などを選ぶと、ファイルがローカルにある場合に較べ、若干引っかかるような場面もあったが、この程度ならギガビットスイッチを今慌てて用意するほどのことはない。これも、いずれ、価格がこなれてきた段階で用意することとしよう。

保存データは全部ネットの向こうに

ファイルをネットの向こうに置いておいても実用的なスピードが出ているのをみて、これまでお荷物だったiTunesのデータなどをLANDISKに置いて実験してみた。iTunesのライブラリなどのデータファイルは標準では利用者のホームディレクトリの「ミュージック」フォルダ内にある。このiTunesフォルダをLANDISK側の適当なフォルダにコピーし、そのフォルダのエイリアスを、元の自分のホームディレクトリ/ミュージックフォルダ内に作ってやる。これだけせっていするだけで、iTunesを走らせるとネットワークの向こうに置いたiTunesライブラリがあたかも、自分のマシンにあるかのように動作してくれる。

これで、これまでMac miniの内蔵ディスクが一杯一杯だったのが解消された。まだ残り容量は400GBもある。いくらでも楽曲やビデオ購入可能だ。実際に音楽を再生してみると、全く問題無し。ただし、新しいiTunesに加わったアルバムジャケットをパラパラめくるCover Flow機能は最初のうちはぎくしゃくする。しかし、しばらく前後にめくっていると、データがキャッシュされるためか、スムーズになる。この程度なら我慢できそうだ。いずれギガビット環境に移行すればこれも解消されるのではないかと期待できる。

念のため、LANDISKへのファイルコピーのスピードを測った。
まず用意したのは大容量ファイル。iDVDのプロジェクトファイル、2.48GB。ストップウオッチも用意した。iPod nanoだ。

最初、手持ちのストップウオッチがないから、ネットを探してMac用のストップウオッチソフトを用意しようと思った。ググってみると第5世代以後のiPodにストップウオッチ機能があるではないか。うかつにもiPodにこんな機能が入っているということを認識していなかった。お恥ずかしい。iPodならスイッチ押しやすいし、ラップタイムなども保持してくれる。

iMac(Intel) Core Duo、1.83GHz、内蔵160GBシリアルATAドライブ(Maxtor)、外付けとしてFireWire接続の2.5インチドライブ(東芝 MK1031、100GB)を接続。

1)FW接続した同一ドライブ別パーティションにコピー:5分37秒

2)外付け2.5"FWドライブから内蔵HDDへ:2分28秒

3)内蔵HDDの別パーティションへ:2分19秒

4)内蔵HDD上の同一パーティションで複製:1分27秒

5)内蔵HDDからLANDISK(afp)へのコピー:6分13秒

結局、FW接続した外付け2.5インチHDDで作業するのと大差ない速度となっていることが分かった。計算するとネット経由でのファイル転送速度は約53Mbps。まあ、かなりの作業ができることになる。

20061003graph.jpg

iMac(Intel)でファイル転送速度を測った。外付け2.5インチディスクで操作するのといい勝負だ

利用分野。あれもこれも、できる

500GB+250GBのリムーバブル領域がLANにつないだ各パソコンから利用可能となると、あれもできる、これもできると夢が広がる。iTunesのライブラリはビデオコンテンツも含めてLAN上におけることが分かったし、とにかく大容量のエリアが必要なビデオ編集もLAN上でできる。旅行に行ったビデオ編集を使用とするとMacBook Proの容量がキツキツだったのだが、これで解消する。

バックアップも心置きなくできる。これまでは必要なファイルだけを厳選してバックアップソフトに設定、ときどき外付けディスクをパソコンにつないでは、夜中作業するといったことを繰り返していた。これをすると忙しいときには何週間もバックアップするのを忘れてしまい、一番大事なときに一番大事なファイルを失ってしまうといったことをよくやっていた。

これが、Retrospectや.Mac会員向けに無償配布されているBackupなどを使って、バックグラウンドで自動実行させることが可能になる。その際、バックアップ先の容量をほとんど気にせずに済むのがとても精神衛生上も良い。

アップルが.Mac会員向けに無償で配布しているバックアップソフト「Backup」を使えばバックグラウンドでネットワークドライブなどに自動保存ができる

この製品はビデオコンテンツなどをネットワーク上で共有するための仕様、DLNAにも対応している。アップルが来年iTV(仮称)を出してきたときには、連携して使えるはずだ。

次期OSのTime Machineにも期待が広がる

次期Mac OS XのLeopard(開発コード)には知らず知らずの間にバックアップされているという魔法のような仕組み「Time Machine」が標準装備される。Time Machineはバックアップという複雑で面倒な作業をユーザーに意識させないといういかにもアップルらしい手法だ。ファイルに変更があったときにはその差分を記録しておき、いつでも、過去の指定した時刻の状態に戻せるという機能だ。動作の仕組みが過去への時間旅行をしているような感じに似ているところから、Time Machineと命名された。

この仕組みの素晴らしいところは、バックアップが必要なファイルやディレクトリー群の指定やスケジュール設定など、面倒で難解な作業をユーザーに意識させずに済ませてしまうというところだ。従来バックアップというと、パソコンの設定状況や、必要不可欠なシステムファイルが何なのかなどの知識が必要で、パソコンの上級者以外ではなかなか一筋縄ではうまく行かないことが多かった。Time Machineの登場で、またマックユーザーのストレスは軽減されることになるはずだ。

しかし、大きな問題がある。Time Machineをスムーズに動作させるためには、大容量のハードディスクが必須であることだ。現在使用中のハードディスク容量と同じ容量のハードディスクを接続しておかなければならないのだ。これがなかなか面倒だ。デスクトップパソコンならUSBポートなどにもう一台のハードディスクを固定的に接続しておけば済むが、ノートパソコンなどではそうも行かない。部屋に戻ってきたときに外付けハードディスクなどを接続し直し、バックアップ動作に備えなければならない。

この問題も、一気に解決する。ネットワークボリュームにTame Machineのデータを保存できるかどうかはまだ製品が出荷されていないいまの段階ではなんとも言えないところだが、アップルのことだ、多分、そのあたりはうまく解決して出荷してくるだろう。

もし、Time Machineのような機能が今回紹介したようなテラバイトサーバーに対して動作するならユーザーとしてはとてもラクチンなシステム環境を構築できるということになる。たとえば無線LANを備えたノートパソコンなどをデスクに持ち帰ったなら、ユーザーが特に意識しなくても自動的にバックアップがバックグラウンドで行われ、トラブル発生時には、以前の正常な時点に「巻き戻す」ことができる。

しかも、ネットワークにぶら下がっているから、複数のパソコンもそのサーバーを共有して設定できる。スペース効率的に考えても効果的だ。夢は広がる一方だ。

とはいえ、これは2007年初頭まで待たなければならない。当面は今あるバックアップソフトのどれが良いのか確かめる作業を始めるとしよう。結果が出たらまた皆さんにお知らせしたいと思う。