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天災は忘れたころにやって来る、とはよく言ったものだ。先週紹介したLANに繋げるテラバイトサーバーを調子良く使っていたら、突然ネットが動かなくなった。家庭内LANへの入り口に設置したルーターのランプが全部消えてしまっている。電源が全く入らず、これは修理か、買い替えしか方法はなさそうだった。

おかげでネットワーク環境がギガビットに

先週紹介したとおり、LANに接続するテラバイト規模のサーバーは100Mbpsのイーサネット環境でも十分に実用的に働いてくれていた。いずれ小遣いが貯まった段階でルーターも新調しようとゆっくり構えていたところに、この故障である。最初は購入したてのアイ・オー・データ製、LANDISK HDL-GTの初期不良かと思ったが、そうではなく、ルーターの電源回路の故障らしかった。

早速ブロードバンドルーターの価格を調べてみたら、今と同じものなら、数千円、ギガビットポートを持つものなら1万円から2万円くらいで買えることが判明。これも神のお告げとばかり、ギガビットポート付きのルーターに買い替えることにした。予定外出費だから出来るだけ安いものをと秋葉原店頭であれこれ探したら、九十九電機で1万3800円、10台限りというのを見つけた。コレガのCG-BARPROG。この価格なら、ネット専門ショップの最安値で買うよりずっと安い。ということで、即購入。

めでたくこれで、ついにわが家も、ギガビット環境に移行することとなった。このLANサーバーにも、愛用のMacBook Pro、そしてiMac(2006年初期版、Intel Core Duo搭載)にもギガビットイーサネットポート(1000BASE-T)が付いているので、ギガビット環境にしないでおくのはもったいなかったのだ。

ジャンボフレームに対応させれば内蔵HDDと同程度の高速転送が可能に

結論から言うと、この改装で外付けの2.5インチ・ハードディスクへのファイル転送より2倍速く、内蔵ハードディスクで操作するのとほぼ同程度の高速転送が可能になることが分かった。

これで、iTuneやiPhotoで管理するコンテンツデータはもちろん、デジタルビデオの編集もデータをネットワークの向こうのLANDISKの上に置いたまま操作できる。

ただし、ここで、一つ注意するべきことがある。ネットワーク系路上の全ての機器をジャンボフレームに対応させることだ。これをしないと、100BASE-T環境と大差ないか、かえって速度が遅くなったりする。

イーサネットのデータ伝送ではデータを小分けにして送る取り決めとなっており、このサイズは標準で1518バイトと決められている。しかし、ネットワークの伝送路がここまで速くなると、小分けにせず大きな塊でドンと送ってやったほうが効率が良くなる。そこで、標準よりも大きなフレームサイズで送れるよう機器を設定してやる必要がある。LANDISK HDL-GTもルーターのBARPROGもWeb経由の設定プログラム内にジャンボフレーム設定項目がある。

Macでジャンボフレームに対応させるには

ところが、Macにはそんなことができそうな設定ソフトなどは見当たらない。購入してきた機器にもそんなソフトはバンドルされていなかった。さて、どうすれば良いのだろう。

この設定は私も初めて。どのソフトが使えるのか、Mac OS Xに付属のユーティリティをあれこれ探してしまった。標準で組込まれている「ネットワークユーティリティ」などを開いてみたが、それらしいものは見当たらなかった。

結局行き着いたのは、いつもネットワークの接続先などを設定する「システム環境設定」の「ネットワーク環境設定」だった。アップルメニュー内にあるおなじみの設定パネルである。

この中の「Ethernet」タブをクリック、出てくる「設定」メニューを「手動」に切り替えると内蔵Ethernetを「ジャンボフレーム」に対応させることができる。

マックのギガビットEthernetポートをジャンボフレームに対応させる

なんだ、Mac OS Xに最初から入っている設定パネルをいじればそれで良かったのか。そりゃそうですよね。

これで無事、全てのネットワーク機器をジャンボフレームに対応させることができた。今回は9000を選ぶことにした。こうして計測した結果がこのグラフだ。

iMacで計測したLANDISKへのファイル転送速度
グリーンで示した部分がジャンボフレームに対応させた1000BASE-T転送

iMac(Intel) Core Duo、1.83GHz、内蔵160GBシリアルATAドライブ(Maxtor)、外付けとしてFireWire接続の2.5インチドライブ(東芝 MK1031、100GB)を接続。

(1)FW接続した同一ドライブ別パーティションにコピー5分37秒
(2)外付け2.5"FWドライブから内蔵HDDへ2分28秒
(3)内蔵HDDの別パーティションへ2分19秒
(4)内蔵HDD上の同一パーティションで複製1分27秒
(5)内蔵HDDからLANDISK(afp)へのコピー6分13秒
(6)内蔵HDDからLANDISKへのコピー(1000BASE-T、ジャンボフレーム)3分28秒
(7)LANDISKから内蔵HDDへのコピー(1000BASE-T、ジャンボフレーム)2分30秒

前回の測定結果はこのグラフでは水色、今回はグリーンで示している。
ご覧の通り、内蔵ハードディスクへの読み書きに近いスピードが出ているのがお分かりいただけるだろう。
この速度、もっと性能の良いマシンとHDDユニットを使ってチューニングすれば、さらに速くなると思われる。しかし、今の用途を考えれば、十分な速度が得られている。

起動後、LANDISKを自動的にマウントさせるには

さて、ここまで来れば、あとは使用環境を整備するだけだ。Macの電源を入れると、自動的にLAN上のLANDISKの指定したボリュームをマウントし、その上にあるiTunesライブラリを読み込み、ネットワーク上のデータで再生させる、といった環境整備を行えばいい。

iTunesのライブラリファイルをネットの向こうに置くのは、前回説明した。

自動マウントの一番簡単なやりかたは、「システム環境設定」の中のログイン項目にマウントしたいボリュームを組み入れてやればよい。具体的には、ログイン項目下にある「+」マークをクリックして、目的のボリュームを選択してやればよい。さらにそれに続けて、iTunesも登録してやれば、起動後、自動的に演奏可能状態にまでなってくれるはずだ。

しかし、これでは問題が起きる場合がある。ネットワークが何らかの理由でうまくつながらない場合、iTunesのライブラリにアクセスできないのにiTunesが起動してしまい、エラーを起こす可能性がある。

そんなときには、Macに付属のプログラミング環境「AppleScript」で確実な動作をさせられるように設定しよう。
LANDISKのIPアドレスが192.168.10.30、マウントしたいボリュームがdisk01だったとしよう。

AppleScriptの「スクリプトエディタ」を立ち上げ、次のようなプログラムを打ち込む。

------ここから、この行含まず------
try
mount volume "afp://192.168.10.30/disk01"
tell application "Finder"
activate
open application file "iTunes.app" of folder "Applications" of startup disk
end tell

on error
display dialog "何らかの理由でLANNDISKがマウントできませんでした。ネットワークの接続などを調べてください"
end try
----ここまで、この行含まず-----

でき上がったら、これを保存する場合に「アプリケーション」として保存する。でき上がったアプリケーションを先ほど説明した「起動項目」にセットしてやれば、オッケーだ。

このようにしてやれば、起動後、特別な故障がない限り、目的のボリュームが確実にマウントされiTunesなど、LANDISKの存在を前提とするアプリが動き始めるはずだ。

私は、こうして、Safariのダウンロード先などもネットワークの向こうに置くことにした。こうすると、複数のマシンでいろんな場面でダウンロードしたファイルが一つのフォルダに集められて、効率的だ。これまで、同じファイルをマシン毎に何度もダウンロードするなどの無駄をしてきたが、これでインターネット帯域を浪費しなくてすむ。

また、バックアップ先をこのLANDISKにも設定した。1テラ(実際には500GBに設定しているが)の容量があれば、心置きなく、データのバックアップができる。こうした環境になったのを機会に、これまでちゃんと検証してこなかった複数のバックアップソフトの比較検討もしようとしている。

バックアップソフトを複数利用し、複数セッションを設定して何ヶ月間か実地検証を行うなんて、テラバイトサーバーがなければとてもチャレンジしてみようとも思わない企画だ。このテスト、じっくり取組んでから、マックユーザーの皆さんにご報告したいと思う。