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 データコピーソフトを使う利点はデータのバックアップだけではない。

 読者のみなさんは、「間違って必要なファイルを削除してしまった」り、「手がすべって、1時間前にファイルの中身を変更して保存してしまった。何をどう変更したのかは忘れてしまった…」という経験をお持ちでないだろうか。

 データコピーソフトを使うと、データを単にコピーしてくれるだけでなく、削除したファイルを復活できる利点もある(削除したファイルと同じファイル名で新規ファイルを作ると、バックアップファイルが上書きされてしまうので元に戻せないこともある)。

 さらに、データコピーソフトには、ファイルの内容を誤って修正してしまった場合に、修正前のファイルに戻すことが可能である。この機能を「バージョン管理」と呼ぶ。これを使えば、ある日の11時10分と12時30分にファイルを修正した場合に、11時10分に修正したときの内容のファイルに戻すことが可能だ。

 Backup Platinumでの設定手順は、先ほど作成したバックアップの「アイテム」のプロパティを選び、「ストレージ」タブを選択。「タイムスタンプの設定」を押し、バージョンとして管理する時間間隔を選ぶ。「月」「日」「時間」「分」から選べる。今回は、間隔を「時間」にした。

図1 データコピーソフトのバージョン管理を活用する。まず、アイテム(マイデータをCドライブにコピー)を選んで、「プロパティ」を押す(画面はネットジャパンの「Backup Platinum 2.0」)
図2 「ストレージ」の画面で「タイムスタンプを…」をチェックし、「タイムスタンプの設定」ボタンを押す
図3 タイムスタンプの最大精度を選択する。「日」「時」「分」などが選べる。ここでは、精度を「時間」に、保存する方法としては、デフォルトの「最近7個のバージョンを保存する」を選択

 バージョン管理機能では、ファイルが更新されたかどうかではなく、時間間隔を元にバージョンを管理する。例えば1時間を1つのバージョンとしてみなすと、1時から2時の間に更新された内容までは管理されない。このため、1時間に何回かファイルを更新したら、一番最後に更新された時点のファイルが、元に戻した際のファイルになる。具体的には、バージョンを1時間ごとに管理した場合、11時10分にファイルを作って11時20分と11時30分に修正し、12時にファイルを元に戻したら、11時30分に変更したものになる。

 もし、11時10分の時点や11時20分の時点にファイルを戻したいなら、1分間を1つのバージョンとして管理し、何十個ものバージョンを保存するしか方法はない。しかし、BackupPlatinumでは世代ごとにバックアップ対象ファイルをすべて新規に保存するので保存データ量が膨大になってしまう(「LB オートセーブ2」(ライフボート)は更新されたファイルだけを保存する)。

図4 1時間ごとに、変更したり追加したファイルだけでなく、バックアップ対象に指定したフォルダーの全データがバックアップされる

マイデータの容量×バージョン数の分だけHDD容量が必要になる。Cドライブはシステムが入っているナイーブなドライブで、HDD容量が不足すると動作が遅くなるなどの悪い症状が出る恐れがある。ここはある程度割り切って、1バージョンとして管理する期間を「1時間ごと」や「1日ごと」として保存するのがよいだろう。

 最後に、保存するバージョンの個数を指定する。ここでは、「最近7個のバージョンを保存する」にした。こうすると、1時間ごとにバージョンが最大7つ作られる。一番古いバージョンは削除される。

 バージョン管理機能を使ってファイル/フォルダーを復活させたい場合は、復活させたいファイル/フォルダーが存在するフォルダーをC:\Backupの下から探し出す。そして、復活させたい場所にドラッグ・アンド・ドロップする。

【バージョン管理しているファイルを戻す】
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図5 コピー先の:\Backupフォルダーから、バージョン管理しているフォルダーを探し出して、復元したいファイルをデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップ

※実際に、バックアップ、リカバリーをする際にはパソコンの不調に備える基本から手順を追って操作してください。