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 私は今年の5月、デル日本法人の社長を辞して、事業支援を主たる業務とするリヴァンプに代表パートナーとして加わりました。今の会社に移り、車での移動がほとんどだったデル時代に比べ、地下鉄に乗る機会が増えました。ふと、車内に目をやってみると、座っているサラリーマン風の男性は皆、目を閉じて眠っている、女性は皆、携帯音楽プレーヤーのヘッドフォンで耳を塞いでいる。男性も女性も強いストレスにさらされて、疲れ切っているように見えたのです。

 私たちの会社が手がけるのは企業の支援ですが、それは言い換えれば、企業で働く人たちへの支援でもあります。働いている人たちがいきいきとした充実感を仕事に感じてくれれば、それは組織の力となります。この連載では、私自身の経験や、今まで出会ってきた人々の紹介などを軸に、ビジネスパーソンとしての成長をテーマとして、元気で活気にあふれた有意義な人生を歩むためのヒントを読者の皆さんとともに考えてみたいと思っています。

デルを離れて次のステップへ

 リヴァンプに移る前のビジネスキャリアの大半を私は外資系企業で過ごしています。なかでも一番多くの年月を過ごしたのはデルです。コンサルタントとして関わってから13年間。最後の6年間は日本法人の社長として、売上高は5倍以上に成長させ、シェアは10位から3位まであがりました。そのままデルに残っていれば、それなりのポジションを得ることも可能だったかもしれません。しかし、私は、デルでの仕事に没頭しつつも、自分自身の能力と経験で貢献できる次の新しいステップを探していたように思います。

 そんな私の転身のきっかけは、2005年7月20日に、偶然、訪れました。当時、デルを離れ企業支援の仕事を自分で始めようと考えはじめていた私は、友人の紹介で現在共に代表パートナーを務めている澤田貴司と出会ったのです。これは私にとって強烈な出会いでした。澤田は当時ファンドを運営していましたが、それとは異なるビジネスモデルで企業を元気にする仕事を模索していることを知ったのです。

 そして、全く意図したわけではないのですがちょうどその24時間後、同じく現在共に代表パートナーをしている玉塚元一と食事をしたのです。澤田と玉塚の間では別に何の調整があったわけでもなく、それぞれが自分のスケジュールの中で、私との時間を過ごしたのですが、それが24時間の間に立て続けに起きたのです。ここでもまた、玉塚が同じことを考えているのを知ったのです。澤田と玉塚は既に2人で話し合いを始めていたことを後で知ったのですが。とにかく3人が同じ時期に同じことを考えていたのです。ほどなく自然と、3人で一緒にやらないかという形になりました。

自分が学んだことを還元したい

 日本には、技術や顧客など、事業の「タネ」を持っていても、それをビジネスとして生かし切れていない企業がたくさんあります。そういった企業は、時代にあった新しいシステムを作り上げ、組織運営に埋め込むことで飛躍的に成長を遂げるチャンスがあるのです。デルは、パソコンのダイレクト販売というビジネスモデルに焦点が当たりがちですが、むしろ、ITをフル活用し、緻密さとスピードを両立させているビジネスマネジメントシステムこそが、生命線だと私は考えています。「事業支援」という言葉を聞いて、猛烈なスピードで変化に対応していくデルの中で私が学んだことを、日本の多くの企業に還元していきたいと思ったのです。

 また、私事ですが、子どもができたことも転身を後押ししました。4歳になる我が子を風呂に入れつつ、この子が大人になったときに日本はどんな社会になっているのだろうと自然に考えるようになっていました。この子の未来のために自分は何ができるだろうと。

 結局、デルでの最後の仕事が残っていたため、澤田、玉塚の2人に合流するのはリヴァンプ発足から半年ほど遅れましたが、このビジネスは自分にとっての5回目の節目、「第5」の人生の始まりだと判断しています。

 今までのキャリアの中で、私はビジネスパーソンとして自分がどれだけやれるのかを追い求めてきました。でも、リヴァンプでは、社会に対して貢献できることに対しても私の思いは向いています。同世代の仲間たちと新しいビジネスモデルを作り、自分たちのビジネスを通して、多くの企業とそこで働く人たちを幸せにしていく。そして、今40人以上集まっている同じ志を持つ仲間がどんどん巣立っていくような梁山泊に自分たちの会社を育てていきたい。巣立っていた仲間たちが活躍し、もっと日本を元気にしていってもらいたい。そういう夢があります。

 私は47歳です。まだ47歳なのか、もう47歳なのか。人によって見方は違うでしょうが、私にはまだまだ夢があります。夢を追うことができるのは「自分をあきらめない」からです。あきらめたら何も生まれません。

 というわけで、次回は、私がどうやって大学卒業後、キャリアチェンジを実現させたかを、準備編も含めてご紹介したいと思います。

【参考】
リヴァンプのホームページ