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 今回は、プリンターが持つ機能で対応可能なものを中心に、プリンターを取り巻く危険性を紹介しよう。セキュリティ機能を強化したプリンターでないと備えていないものもあるが、プリンターに依存しない対策もある。意外と軽視されがちな、身近な危険もあることが分かるだろう。

放置されたプリントアウトが危ない

 まずは、印刷したプリントアウトの扱いだ。言うまでもなくプリンターは何らかの情報を持つ電子データを、紙に印刷するというのが基本機能だ。印刷した情報は、電子データと同じ重要性を持つ。パソコンはさまざまな手段で保護しても、印刷した紙が意外にルーズに扱われているケースは少なくない。

 例えば、仕事が集中して立て込んでいるとき。一つ、重要な文書を仕上げてプリントアウト。休む間もなく、次の仕事が待っている。プリンターは少し離れたところにあり、取りに行くのはおっくうだ。そこでつい、そのまま別の作業にも取りかかってしまって、プリントアウトが放置される――。

 放置される時間が長くなるほど、プリントアウトを誰かに持って行かれる可能性が高くなる(図1)。第三者には大して意味のない情報だろうが、重大な機密情報だろうが、こうなると“持ち出しやすさ”は同じだ。

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図1 プリントアウトを放置しておくと、機密情報も簡単に持ち逃げできる

 悪意のある何者かが持ち去ることのリスクは言うまでもないだろう。ただ、悪意のない人の手に渡っても実は危険性に大きな変化はない。同僚が自分のプリントアウトといっしょに誤って持って行ったとしよう。本来は、廃棄の手順が決められた書類にもかかわらず、その同僚は直接関係していないため、普通の書類と同様に処分してしまうかもしれない。あるいは別の社員が出力したプリントアウトもいっしょになっているとは気付かずに、取引先に渡す資料といっしょに社外に持ち出してしまうかもしれない。出力した本人ならば取り扱いも心得ているだろうが、そうでない人の手に渡った場合には、適切には扱われない可能性が高い。

 持ち去られるだけならばまだなくなったことに気が付けるかもしれない。しかし、オフィスには書類をコピーできる環境がある(図2)。

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図2 プリントアウトのコピーを取ることで、持ち逃げの痕跡を消すことができてしまう

 プリントアウトを見て「これは持ち出す価値がある」と判断した何者かが、手近なコピー機で素早くコピーを取り、プリントアウトは元に戻す。プリントアウトしてから時間が経つほど、こうした時間の余裕を与えることになる。

 最も簡単な解決方法は、印刷したらすぐに自分の手元に回収するルールを作り、それを徹底させることだ。作ったルールを厳しく運用することで、放置プリントアウトの削減にはかなりの効果があるだろう。

 しかし、こうしたルールだけではどうしても抜けがある。より対策を強化するならば、ユーザー認証と組み合わせるといった方法が必要になる。パスワードを入力する、あるいはICカードをかざすなど、印刷した本人がプリンターのところに行かないと、印刷が実行されない仕組みを取り入れることで、より高いセキュリティレベルが保てる。