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 現在、編集部では来年初号(2007年1月8日号)の作業の真っただ中。毎年のことですが、この時期、年数表記で混乱が起こります。2007年に発行する雑誌の記事なのだから、2006年のことを書く場合は「昨年」。ところが、記事を書き出すと、どうしても「今年」としてしまう…この時期、さらに気合いを入れて望まねばなりません。

 さて、この時期のもう一つの定番は「予測ネタ」。ご存知の通り、来年の注目製品/技術は何か、どのような動きに注目が集まるのか、などをまとめる記事です。各社のキーパーソンから来年の見通しをお聞きしたり、標準化団体や業界団体などが公表しているロードマップをチェックして、編集部が来年の動きを予測します。2006年も、最初の号(2006年1月9日号)の特集で「2006年のパソコン大予想」という記事を掲載しました。

 当然、編集部では2007年も予測すべく動いています。ただ、これまでとは少し趣向を変える予定。いろいろな分野を総合的にまとめるのではなく、各記者が日ごろ追っている分野について、それぞれが深堀りの(大胆な)予測を紹介する計画です。そして、これは日経パソコン オンライン上のコラム『記事の芽』のスペシャル記事としてネットで掲載する予定。2007年1月1日から始める予定ですので、楽しみにお待ちください。

 年初に、その年を見通すのは専門記者にとって大切な作業の一つです。この作業によって、その1年に重点的に追う分野や参加すべき海外のイベントなどがはっきりします。

 ただ、予測ネタに関しては「良くない」点もあります。それは検証作業。年初に立てた予測が正しかったのかどうか、これまであまり検証してこなかったのです。みなさんも、雑誌で「本誌の予測は正しかったのか?」的な記事を見かけた経験は少ないと思います。

 ただ、今はネットの時代。紙メディアの場合は、どうしても紙幅の影響を受けてしまいますが、ネットならそれもなし。せっかくコラムを始めたことだし、今回は2006年初めに予測した内容がどうだったのか、ざっと検証してみたいと思います。

2006年の予測は大はずれ

 まずは結論から。残念ですが、2006年初めに私が立てた予測はものの見事に外れました。まあ、惨敗もいいところです。

 年初、2006年はパソコン業界にとって激動の年、市場が活性化する年になると予測しました。私が付けたタイトルは「パソコン製品・技術の“豊作”に長年の悲願をかける」というもの。詳しくは弊社のITproサイトでご覧いただけます。

 こう予測した理由はいたって単純です。昨年末、2006年中に注目の大型製品が相次いで登場するとされていました。マルチコアCPUが普及期に入り、5年ぶりにメジャーバージョンアップするWindows Vistaや新しいOfficeが登場。加えて、Blu-rayやHD DVDといった大容量DVD、ワイヤレスUSBなどの無線通信技術が次々に姿を現す……まさに近年まれに見る豊作の年だと考えられていたのです。

 「パソコン業界にとって、2006年こそ勝負の年」という業界の“熱気”をものの見事に打ち砕いたのは、やはりWindows Vistaと新Officeの開発遅れでしょう。2006年秋に一般ユーザー向けに発売される予定が、ついに2007年に持ち越されてしまいました。

 その影響は、パソコンの販売台数にも如実に表れています。電子情報技術産業協会(JEITA)が公表したデータを見ても、国内における4~6月のパソコン出荷台数は昨年比97%(2005年の306万7000台に対して296万5000台)、7~9月は昨年比96%(2005年の313万5000台に対して301万台)にとどまりました。企業向けに比べて、一般ユーザー向け市場での苦戦が続いており、年末商戦も昨年に比べて販売台数が大きく落ち込むと見られています。

 このように、私にとっても、パソコン業界にとっても、2006年は大きな「誤算」の年でした。年初に立てた予測が外れるのは、編集者としてはみっともないことですが、責任をもって予測するためにも年末の検証作業は欠かせないでしょう。2007年予測も、年末にきっちり検証してみたいと考えています。