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 白くて薄い“紙”。どれも同じように見えても、画質に対する評価は相当分かれることは「プリンター用紙を極める(1)」で紹介した。「紙には良しあしがある」。これは疑いようのない事実だ。

 また、キヤノンやセイコーエプソン、富士フイルムは、価格の違う3製品をラインアップとしてそろえる(写真右)。まるで、価格の差が画質の差と言わんばかりだ。評価結果を見る限り、必ずしもユーザーの目にはその通りには写らないようだが、何らかの違いはありそうだ。

 良い紙と悪い紙の違い、価格の違いは、いったいどこから生まれてくるのか。その謎を解くべく、紙の裏の世界を旅してみることにしよう。

紙とは何か?

 そもそも、紙とは何かから話を始めたい。いくつか辞書を引いて「紙」を調べてみると、次のような解説が多い。「主に植物の繊維を絡み合わせたり接着させたりして、シート状にしたもの」。紙は、水に浮かせた植物繊維を金網でこし、マットのように繊維が積み重なった状態で乾かして完成する。つまり紙の正体は、繊維の塊というわけだ。

 この繊維がむき出しになった表面に、インクを染みこませるのがインクジェットプリンターの印刷である。ページプリンターであればトナーを擦り付ける。

 単純な繊維の塊である普通紙のほかに、表面に薄くコートした紙も数多い(下図)。表面を滑らかにする特殊な塗料を塗った「塗工紙」と呼ばれる紙がそれ。ピカピカしたカタログやグラビアページで実際に手にしたことがあるだろう。前章で取り上げた写真向けの用紙も、実は塗工紙。インクを吸収しやすい材料が塗ってあるのが特徴である。狙ったところにインクを垂らすと、にじまずに定着する。解像度の高い写真や図を印刷できるのは、このためだ。

【インクは紙に染み込み「色」となる】
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 最近のインクジェットプリンターは、染料系のインクを採用する製品がほとんどである。普通紙でも塗工紙でも、水や油に染料を溶かしたインクを受け取ると、染み込んだ後に水分などが蒸発する。結果として、染料だけが紙に残る(右図)。ちなみに顔料インクを使う一部のインクジェットプリンターや、トナーを使うページプリンターで印刷した場合、顔料インクやトナーは染み込ない。紙の表面にこびりついてとどまる。

 以上の基本を踏まえ、写真向けの用紙が具体的にどのような構造になっているのか見ていこう。