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 Adobeの画像編集ソフト、PhotoshopのIntel Mac対応版、CS3のベータ版配布が12月15日に始まった。IntelのCoreマイクロアーキテクチャーに対応することで、従来製品の倍のパフォーマンスを叩き出すと同時に、まだ見ぬMac OS X の次期バージョンLeopard(レパード)のサポートを明言するなど、マックユーザーに久々の好インパクトを与えている。

本当に待たせてくれました

 AppleがIntelチップ搭載へ大きく舵を取る中、Adobe製品はなかなかIntel Macへ最適化されてこなかった。マシンパワーが必要なグラフィックアプリケーションなのにIntel Core Duo向けに最適化されなければ、新型Mac本来のハイパフォーマンスを引き出すことができない。出版編集・制作会社、グラフィックデザイナー、写真家などプロフェッショナルユーザーはマッキントッシュ上で仕事をする人が多いが、Adobeのこの対応の遅さが不満のタネだった。

 グラフィックスを扱おうとすると、CPUはとにかく速いほうが良い。新しい製品ほど高速のCPUを搭載し、値段は据置、などということがパソコンの常。プロフェッショナルユーザーは一生懸命働いて稼いだ金を、新機種につぎ込み、環境をより良くしようと努力する。PowerPC G4 MacのCPUスピードのより速いものをと追い求めた次は、「トータルパフォーマンスが2倍向上する」(Apple)というデュアルコアXeon2基搭載のMacProを手にしたいと資金準備を進めてきた。ところが、肝心のPhotoshopを始め、DTPソフトのInDesignなどがCoreマイクロアーキテクチャーに完全対応(ネイティブ対応)しなかったために、機種変更したところがパフォーマンスに大きな違いが出なかったのだ。ネイティブ対応したアプリケーションに関しては、2倍近いパフォーマンスが体感できるから、さまざまな仕事を総合してみると、確かにパフォーマンスは上がる。しかし、肝心のメインアプリが以前と同じ感触でしか動かないのでは新機種を購入する意味がない。

 とまあ、こんな具合に、グラフィックユーザーのノドのつかえとなっていたAdobe製品が、ようやくネイティブ化に向かって動き始めた。配布サイトは米国のAdobe Lab。Photoshop CS2 、Adobe Creative Suite 2などを所有しているユーザーならそのシリアル番号を入力すれば、正式な製品版がリリースされるまで試用可能だ。残念ながらそうした現行製品を持っていないという人でも、2日間だけは試用することができる。すでにIntel Macを手元にお持ちの読者は是非、ダウンロードして試してみてほしい。

 パフォーマンスは大ざっぱに表現して約2倍向上した。画像にエフェクトをかけたりレンダリングする際のパフォーマンスの違いは歴然としている。Intelチップ搭載マックの登場から約1年。ようやく、Adobeのマルチメディアデータ加工アプリケーションに光が差してきた感じだ。AppleがPowerPCからIntelのCoreマイクロアーキテクチャーに移行したことが正解だったことが改めて実感できる。

 Adobe社はマック製品向けに古くから製品を開発してきただけに、旧製品向け開発環境ががっちりとでき上がってしまっていたことが裏目に出た。これまで長期間にわたって蓄積してきたプログラムコードの更新は並大抵ではなかったと言う。

Leopardにも対応を表明

 これでプロユーザーは心置きなく新しいマック製品の購入計画が立てられる。さらに心強いのは、いまだ姿を現していないMac OS Xの次期バージョンLeopard(10.5)にも対応していることを現時点で明言していることだ。Appleは未発売の製品に対してことのほか神経質な態度を取る。Appleは開発会社に対して事前に開発中の製品情報を流すことはするが、その製品にどうコミットして行くのかをサードパーティが語ることを厳しく制限する。しかしそんな中ではっきりとLeopard対応を明言するのは、ユーザーにとってみればとても心強い。2007年春ごろ登場するはずの新機種上できちんと動作するということを保証してくれているのだから、企業ユーザーにとっても購入計画が立てやすい。

 実は、これまでもごく少数ながら、開発会社数社がLeopard対応を表明していた。Windows環境をMac OS Xの中で動かすParallelsはLeopard対応を9月7日に表明。同時にWindows Vistaへの正式対応までも発表していて、技術力に自信があることをアピールしていた。

 先週(12月14日)発表されたSkype for Mac ベータ版(2.5.0.63)もLeopard対応を一歩進めたという。これまでLeopard上でSkypeを使おうとするとウインドーが全く開かず、身動きとれない状態だったのが普通に使えるようになったという報告がオンラインメディアやブログに登場し始めている。

 リリース時期、まだ公開されていないが強化される新機能、パフォーマンスの向上度合など明らかになっていない部分がまだ多い中、サードパーティから開発の進捗状況が次第に明らかになってきたLeopard。Vistaにはなくて私たちを驚かせる秘密の新機能とは何か? 来年1月そうそうに飛び出してくるサプライズに期待が高まってくる。