PR

 スタートボタンはWindowsの象徴である。キーボードにわざわざ専用のキーを付け加えるほど重要視されている。

 このボタンがVistaになって変わった。今回はスタートボタンから始まる一連の操作が、Vistaになってどう変化したかチェックしていこう。

 XPのスタートボタンは、長細い矩形のボタンにロゴマーク、さらに「スタート」という文字が記されていた。それがVistaでは、スタートの表記がなくなり、形は柔らかいイメージの丸型に変更された。「スタート」の表記がなくなったのは、Windowsの操作がここから始まるという認識が、周知のものになったためではないか。どちらにせよボタンの印象は幾分変わった。

図1 左がXP、右がVistaのスタートボタン。Vistaのスタートボタンは優しいイメージの丸いアイコンに変更された

 スタートボタンをクリックすると、メニューがポップアップする。この点はXPと同じだ。しかし、実際の使い勝手はかなり細かく変更されている。まずスタートボタンをクリックしたときに立ち上がる画面を、XPとVistaで見比べてみよう。

拡大表示
図2 左がXP、右がVistaのスタートメニュー。メニューの左側に関してはXPと同じ。右側のショートカットはフォルダー構成の変更に伴い、微妙に異なっている。下部には検索バーが新設された

 スタートメニューの右側にずらりと並ぶ項目に注目。XPでは、「マイドキュメント」「最近使ったファイル」「マイピクチャ」「マイミュージック」「マイネットワーク」「コントロールパネル」などが、よく使うものとして表示されている。それがVistaでは…。

あれ?マイドキュメントがない?

「ドキュメント」「ミュージック」「ピクチャー」「コンピュータ」「ネットワーク」…。全ての項目で“マイ”がなくなっている。

 さらにフォルダの構造も異なっている。XPでは「マイドキュメントフォルダ」の下に、「マイミュージック」「マイピクチャー」「マイビデオ」などのサブフォルダが分類されていた。だがVistaでは、ユーザーフォルダの下に、「ドキュメント」「ピクチャー」「ミュージック」「ビデオ」などのデータフォルダが並列に置かれている。

 XPで何万回と選択した「マイドキュメント」が、Vistaで廃止されたのには正直驚いた。これはおそらく、パソコンでどんなデータを扱うかが明確になってきたからだろう。

 さて、視線をメニューの下に戻そう。メニューの最下部に新設されたのは「検索の開始」である。テキストボックスに検索したい語句を入力すると、その結果がリアルタイムに上部に表示される。検索機能の使い勝手については次回以降に検証するとして、今回はその横を見てみよう。

図3 VistaはXPと比べ、検索機能が大幅に強化された。その一環が、この「検索の開始」だ。この部分に文字を入れると、その文字を含むファイルのリストが表示される。検索窓の横には、2つのボタンと矢印が用意されている。これはいったい…

 2つのボタンと矢印がある。ボタンは左側が「スリープ」、右側が「ロック」。その隣の矢印からは、「ユーザーの切り替え」「ログオフ」「ロック」「再起動」「スリープ」「休止状態」「シャットダウン」といった機能が選択できる。

 この中でVistaで追加されたのは「スリープ」と「ロック」だ。しかも扱いはVIP待遇。絶好のポジションに、独立したボタンとして装備された。

 新たに加わった「スリープ」機能は、現在利用しているアプリケーションやドキュメントの内容をメモリとハードディスクの両方に保存した上で復帰作業を行う(ノートパソコンの場合はバッテリーの残量が少なくなるとハードディスクに書き込む)。万が一、電源供給トラブルでメモリー内のデータを失っても、ハードディスク内のデータを読み込んで復帰できる優れものだ。

 XPの「ログオフ」ボタンを押しのけて登場した「ロック」ボタンも興味深い。XP時代は1台のパソコンを複数のユーザーで共有できることを「ログオフ」ボタンでアピールしていたが、Vista時代では「ロック」ボタンを用意して、離席時のセキュリティを重要視しているのだ。時代の変化を感じさせる変更点だといえる。

 「すべてのプログラム」の使い勝手もチェックした。よく使うアプリケーションは「最近使ったプログラム」からアクセスできるが、その他のアプリケーションに関しては「すべてのプログラム」をクリックして探すしかない。XPの場合、階層をたどるたびに新しいサブメニューが開いたが、Vistaでは現在表示されているメニューと内容が入れ替わる。

拡大表示
図4 XPのスタートメニューでは「すべてのプログラム」をクリックすると、スタートメニューに追加されたフォルダやショートカットがサブメニューとして表示される。多数のソフトがあると、選択時にデスクトップを占領しかねない

拡大表示
図5 Vistaの場合、サブメニューは開かず、同じ表示エリア内で切り替わる。フォルダに階層がある場合は、ツリー状に表示される

 階層はツリー構造で表示されるので、デスクトップ上にメニューを広げることなく、深い階層にあるショートカットにアクセスできる。大きなモニターを利用可能なデスクトップではサブメニュー方式もそれほど悪くないが、画面サイズの小さなノートパソコンではVista方式のほうが使いやすいだろう。

 なお、サブメニュー方式を使い続けたい人は、スタートメニューの設定画面で「クラシック[スタート]メニュー」をチェックすれば、サブメニュー方式を使うことができる。あるいは、スタートメニューのカスタマイズで、「ドキュメント」などのフォルダ設定を「リンクとして表示する」から「メニューとして表示する」に変更すれば、フォルダの内容をサブメニューとして表示することも可能だ(この設定はXPでも可能)。

図6 サブメニューを使いたい場合は、スタートボタンを右クリックし、「プロパティ」を開く。さらに[スタート]メニューの「カスタマイズ」をクリックする。「ドキュメント」の項目で「メニューとして表示する」をチェック

拡大表示
図7 図6の設定が終わったら、スタートメニューの「ドキュメント」から、直接ファイルを呼び出せるようになる