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 DVD-R DLが採用した新しい記録方式の「レイヤージャンプレコーディング」は、記録データを分割して、2層に記録する。メディアを内周側から均等に使って、DVD-ROMと同じ構造のボーダーを作る。細かいデータの追記を容易にし、物理的な互換性を高めるのが狙いだ。

 ファイルを記録する際には、記録ソフトがファイルを2つに分け、それぞれをレイヤー0(1層目)とレイヤー1(2層目)に記録する(図1上、中)。記録方向は容量にかかわらず、レイヤー0は内周から外周へ、レイヤー1は外周から内周へと記録する。

 2層とも内周側から順々に記録して埋めていくため、分割したデータの記録位置はほぼ上下関係となる。最内周部のレイヤー0とレイヤー1に分割して記録したデータは、物理的には近い位置にある。しかし、論理アドレス空間上では先頭部分と最終部分というように両端に位置する(図1下)。

 ファイルシステムの管理情報には、論理上別の位置に分けて記録したと登録される。管理情報通りに再生するDVD-ROMドライブやプレーヤーなら、論理上離れたデータも読み出せる。

アールゾーンを作って
折り返し位置を決める

 DVD-R DLはDVD-R/RWと同様に、記録するエリアをアールゾーンと呼ぶ単位に分ける。アールゾーンは任意のサイズの予約領域のことで、このエリアを未記録のまま残しておき、後の領域から記録できる。

 DVD-R/RWでは、最後に記録するファイルシステムの記録領域を空けるために、アールゾーンを使うケースが多い。しかし、DVD-R DLのレイヤージャンプレコーディングでは、ファイルシステムに利用するのはもちろんだが、もっと重要な用途に使う。

 レイヤージャンプレコーディングでは、レイヤー0とレイヤー1がセットになって、1つのアールゾーンを構成するため、分割したデータを記録するには、折り返し位置が必要になる。この折り返し位置を先に決めるために、アールゾーンが使われている。HDD内のデータのように、記録容量が分かっているデータは、あらかじめアールゾーンを作っておき、レイヤー0とレイヤー1の記録領域、折り返し位置を決めてからデータを記録する。

 レイヤー1を記録する際、レーザー光はレイヤー0を通過する。このレイヤー0を通過するレーザー光のばらつきを抑え、さらにディスク貼り合わせ精度などのマージンも考慮し、DVD-RDLでは、レイヤー0が記録済の領域にしかレイヤー1には記録してはいけないルールを設けてある(図2)。

 このルールを守って記録するよう、レイヤー0の記録領域を少し大きくしたため、アールゾーンには2つの形状がある。手前のアールゾーンがオープン状態の場合には凸形状となり、手前のアールゾーンがすべて記録済の場合にはレイヤー1側が内周側へずれた形になる。