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 日経パソコン2006年12月25日号に掲載、PCオンラインにも収録した「プロバイダーランキング2006」。今年も約1万2000人のユーザーに回答いただき集計したが、全体のランキング以外に、面白い数値を得ることができた。そこから、プロバイダーが抱えるユーザー層の傾向が明らかになる。

 下のグラフを見てほしい。これはアンケートにご回答いただいた方のインターネットアクティブ度を、弊誌が設定した判定基準で7段階に分け、各プロバイダーごとに見たグラフだ。最も高いレベルを「レベル7:自らサーバーを構築、運用できる」とし、このレベルを多く抱えるプロバイダー順に並べてある。

 このグラフからはいろいろと面白い分析ができる。「レベル1:メールやWebページの閲覧ができる」「レベル7」といった極端なレベルを見てみると、おおよそ一定の法則が見出せるはず。レベルの低いユーザーを抱えているのは大手プロバイダーであったり、CATV会社であったり。逆にレベルの高いユーザーを抱えているのは、中堅プロバイダーが多い傾向にある。

 当然といえば当然の結果だ。加入者を多く抱えるプロバイダーは、テレビCMをはじめとするマス広告を展開し、さまざまな属性のユーザーを抱える。一方、中堅プロバイダーはユーザー数というよりも、なるべく属性を壊さないような加入者増を狙う。

 今回の取材で、とある中堅プロバイダーが「テレビCMを展開したらサポート窓口にかかる電話が通常の200%になり混乱状態に陥った」と漏らしていた。結局、サポート窓口を急遽、強化して対応できたとしているが、本当にマス広告が必要だったかという疑問は残る。プロバイダーの評価が決してユーザー数だけではなくなってきているからだ。
 
 ある時期からプロバイダーの加入者数の増減をテーマにしたニュースはとんと見なくなった。会員数500万人を突破したプロバイダーでは「ユーザー数よりもいま抱えているユーザーの満足度を上げること」がミッションとして掲げられているという。さまざまな属性を抱えている大手プロバイダーは、それぞれのユーザーの要求に応えていく必要があり、よってサービスやコンテンツも多様化していくため、費用対効果は必然的に低くなってしまう。一方、ある程度属性を絞り込めている中堅プロバイダーは、少ない投資で多くの満足度を顧客に与えられる。

 「プロバイダーはどこを選んでも同じ」ではない。むしろ、プロバイダーによって方向性が明確になってきた今こそ、選択肢は鮮明になってきている。長年使っているユーザーは使っているプロバイダーやメールアドレスに愛着があるかもしれないが、果たして自分がプロバイダーに求めているものと、プロバイダーがあなたに提供してくれているものに本当に乖離(かいり)がないだろうか。プロバイダーは接続収入のすべてを接続環境に使っている訳ではない。コンテンツの強化に多く充てるプロバイダーもあれば、サポートの強化に多く充てるプロバイダーもある。はたまた新規加入者獲得費用につぎ込んでいるプロバイダーがあるかもしれない。

 この先、インターネットはまずなくならない。インターネットに関わらなくなる時代もおそらく来ないだろう。となれば、プロバイダーの料金は公共料金や税金と同じく、ずっと払い続けるものとして考えた方がよい。ならば、税金と同じく、接続料金としてプロバイダーに支払っている費用の使い道について、ユーザーがもっと意識すべきではないだろうか。

 税金の使い道に腹を立てても、子供の通っている学校、ご近所づきあい、仕事など多くのしがらみで住んでいる自治体は簡単には変えられないが、プロバイダーの乗り換えなんてメールアドレスの変更とちょっとした手間だけで済むのだから。