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 実効速度で100Mbpsを超えるといわれる次世代の無線LAN方式がIEEE802.11nです。現状で主流のIEEE802.11g方式では実行速度で20数Mbpsですから、単純に考えて、4~5倍も速くなることになります。11nで高速化を実現するために採用された技術が「MIMO(マイモ、multiple input multiple output)」。MIMOでは複数のアンテナを使うことで一度に送信できるデータ量を増やします。

 既に、現状の11n規格のドラフト(草案)規格に対応した製品は数多く登場しています。無線LANルーターは、バッファローやNECアクセステクニカ、コレガなどがドラフト11n対応の製品を投入。パソコンにも搭載が進みつつあります。レノボ・ジャパンはドラフト11nに対応したノートパソコンの「ThinkPad」や「Lenovo 3000」を投入しました。

 11nの正式規格は2007年に策定するといわれていました。ただ、IEEE(電気・電子技術の標準化団体)の規格策定の作業が遅れており、正式規格が登場するのは2008年となりそうです。

 11nの通信方式に大きな変更が加わった場合、ドラフト11nの製品と正式な11n製品とでは、高速な通信ができなくなる可能性もあります。2007年に高速な無線LAN機器を購入しようと考えている人は、ドラフト11n製品を買うかどうか、悩ましい状況が続きそうです。こうした互換性の問題が起きることを避けるため、11n規格の通信方式がある程度まとまった時点で、Wi-Fiアライアンスが相互接続性の検証を始めるという見方もあります。

帯域幅を従来の2倍に

 実効速度100Mbpsを目指すには、法律面での整備も必要となります。従来の11a/b/g方式では通信に使う電波の帯域は20MHz幅でした。これが11nでは40MHz幅の帯域で通信できるようになります。帯域幅が2倍に広がれば、単純に考えると2倍の高速化が可能となるからです。ただ、40MHz幅が使えるのは、現状では海外のみ。国内では電波の法律で20MHz幅の通信だけが認められています。総務省は2007年春をめどに40MHz幅が使えるようになるよう、検討を進めています。

 11n以外の部分でも、無線LAN全体に関する法律の規制緩和が進みます。例えば、無線LANで利用できる周波数帯の拡大。オフィスなどで周囲に無線LANのアクセスポイントが多くあるために接続しづらかった経験をしたことはないでしょうか。無線LANの普及が進み、11b/g方式で使われている2.4GHz帯は混雑しています。これを解消するために、2007年には5.47~5.725GHzの周波数帯が無線LANで利用できるようになる見通しです。従来、5GHz帯では、周波数帯が5.15~5.35GHzの200MHz幅で、屋内での利用に限られていました。5.47~5.725GHzの新しい周波数帯では屋外でも利用できるので、公衆無線LANなどのサービスでも対応が進みそうです。