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 2006年のプリンター市場は、大きな転換期を迎えています。従来のような高画質という点だけでは、ユーザーを引きつけられない時代に入ってきているからです。

 プリンターのここ数年の進化を見ていると、画質的にはよりきれいになってきているものの、一般のユーザーが見て、あっと驚くような変化はありません。画質はもう今のままでも十分と判断しているユーザーも増えてきています。そのため、プリンターの新製品に対しては、使うシチュエーションを広げたり、あるいは今よりももっと使いやすくしたりするといった、従来とは違った切り口が求められていました。

 もちろん、プリンターメーカーもそういう点は百も承知です。セイコーエプソンやキヤノンが2006年に発売した機種を見ると、そういったユーザーのニーズに正面から応えていると思います。例えばセイコーエプソンでは、携帯電話から簡単に印刷したり、あるいはパソコンを使わずに、デジカメの写真をCD-Rに保存したりするといった、使い方を広げる方向でユーザーを引きつけようとしています。地上デジタル放送の画像を印刷できるプリンターもその一環といえるでしょう。

 一方キヤノンは、従来のようなボタンを何度も押してメニューを表示させて操作するという方法から、ホイールを使って直感的な操作で印刷できるという、操作性を大きく向上した製品を投入してきました。

独立したデジタル家電に進化

 こうした傾向は2007年も続くでしょう。そして、使うシーンを広げる、あるいは操作性を向上させるという流れは、パソコンを中心に据えた周辺機器としてのプリンターの位置づけを、大きく変えていくことにつながります。

 例えばデジタルカメラは、既に同じような変化を遂げています。初期のデジカメは、撮影した画像の保存や閲覧などで、パソコンとの連携が必須でした。しかし、今ではパソコンなしでもさほど不自由しない程度まで関係は薄くなっています。デジタル一眼レフという存在が大きいですが、パソコンを外して考えられるようになったことで、パソコンを持たないユーザーにもマーケットが広がってきたわけです。

 そう考えると、2007年のプリンターは脱パソコンの流れがさらに進んだ製品が増えてくるでしょう。シチュエーションの広がりも、操作性の向上も、パソコンを必ずしも必要としていないという点では同じだからです。

 例えば、用紙に印刷されているバーコードを読み取って、自動認識できるインクジェットプリンターは既にあります。こういった機能が発展すれば、用紙のパッケージにQRコードが印刷されていて、スキャナー部にセットすれば自動的にそれを認識し、用紙設定を行うような機能とか、あるいは音声認識機能を搭載して「インクジェットはがき」といえば、自動的にインクジェットはがきの設定になるような機能なども実現可能でしょう。

 また、脱パソコンという流れでいえば設置場所を考えて、さらにコンパクトな製品のニーズが高まっています。物理的に小さくするのは難しくはありますが、無線通信を利用して印刷機構だけを分離したり、複合機と同じ使い勝手のままスキャナー部分を分離したりできるような機種も登場するかもしれません。

 いずれにせよ、プリンターがパソコンの周辺機器から、独立して使えるデジタル家電へと進歩するのは間違いなさそうです。