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 コンピュータが安価になるにつれ、我々の身近なものになりました。そして、多くのコンピュータが通信回線によって結ばれたコンピュータ・ネットワークも専門家だけのものではなく、多くの人が利用可能なものとなりました。

コンピュータが通信回線で結ばれる

 コンピュータが開発された当初は、コンピュータ本体だけを使って、その場でデータの入出力をしていました。しかし、データが発生する場所とコンピュータの存在する場所は異なっていることが多いので、「実際にデータが発生する場所でデータを入出力したい」という要求が出てきました。その要求にこたえるため、初期の段階ではコンピュータ本体と入出力装置をつなぐケーブルを延長し、次の段階で電話などの公衆通信網を利用しました。

 通信回線を利用したコンピュータ・システムは、大型のホスト・コンピュータをすべての人が利用する集中型のコンピュータ・システムでした。あくまでも一つのコンピュータがすべての処理をします(pict.1)。このようなホスト・コンピュータ・システムは、通信回線を介してホスト・コンピュータ内のデータベースを利用するため、データ通信システムとも呼ばれます。

 データ通信システムと似たシステムには、オンラインで機械やプラント・システムを制御するオンライン・リアルタイム・システムや、1台の大型コンピュータに数多くの端末を通信回線によって結び、多くのユーザーがコンピュータを時分割で共有するタイム・シェアリング・システム(TSS)などがあります。これらは1970年の始めころに本格的に普及し始めました。

 ホスト・コンピュータ・システムは、ホスト・コンピュータがすべての処理を実行するため、ホスト・コンピュータが故障すると、システム全体が使えなくなるという問題点があります。

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 コンピュータとネットワークが結合した最初のシステムは,1958年に稼働した米国空軍の防空システムと言われています。
 一方日本では,1960年代始めにJR(当時は日本国有鉄道)のみどりの窓口に導入された座席予約システムが,コンピュータと通信を最初に統合した実用化システムと言われています。
 JRの座席予約システムは,中央の大型コンピュータが,空いている席の検索や予約などすべての処理をしています。一方,遠く離れた場所から中央コンピュータにつながる装置はデータの入力と結果の表示を担当していました。
 中央のコンピュータにすべての処理が集中するため,多くの処理を実行したい場合は,高性能な大型コンピュータを使います。
 このシステムが開発された1960年代は,まだコンピュータ・ネットワークと呼ばれる言葉はなく,このようなシステムは,一般にデータ通信システムと呼ばれていました。