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 カメラを人に向けると、自動的に顔を認識してピントを合わせてくれる「顔認識」機能。2006年末のデジタルカメラ売り場では顔認識機能をウリにした製品が並び、ユーザーの注目を浴びていました。

 顔認識機能は、2005年春にニコンがいち早く採用。その後、ペンタックスが顔認識に加えて露出も自動調整する製品を2006年2月に投入しました。2006年末、キヤノンと富士フイルムがさらに認識率や使い勝手を高めた製品を出し、現在に至っています。

 知り合いのカメラマン数人に、顔認識機能の是非を尋ねてみたところ「記念撮影で人物にピントを合わせる手間が省けそう」「精度が良くて通常のオートフォーカス(AF)との切り替えが簡単なら、ぜひ付けてほしい機能だね」など、いずれも良好な反応でした。これは、カメラ初心者向けの機能と思われていた「手ぶれ補正」機能が、実はプロにとっても三脚を用意する手間を省いてくれたり、脇を締めずに構えなくても手軽に撮影できたりする効用があったことと似ています。

 編集部で上記4社の製品を取り寄せたところ、顔認識の速さや認識できる距離に違いがあることが分かりました(関連記事)。ただ、顔認識機能はまだ出てきたばかりの技術。手ぶれ補正機能や高感度撮影機能のように、今後ほかのメーカーでの採用が増えるとともに、技術改良が進むことは間違いありません。

 顔認識機能の次にくる機能として注目したいのが、ペンタックスが採用している「自動追尾AF」機能です。これは、一度ピントを合わせた被写体が前後左右に動いても、自動的にピントを合わせ続けるもの(図1)。動きの多い子供やペットの撮影で失敗写真を減らせます。自動追尾AFを搭載した製品は、カシオ計算機も1月早々に米国のCESショーで発表しました(関連記事)。

 キヤノンが将来の技術として研究中の「笑顔認識」機能にも期待が集まります(図2)。複数人が同時に笑顔になった瞬間をとらえ、集合写真で誰かがまばたき状態になる失敗を防ぎます。

【図1】一度ペットにピントを合わせると、その後前後左右に動いても自動的にピントを合わせ続ける「自動追尾AF」
【図2】複数人が同時に笑顔になった瞬間を捉えることも可能という「笑顔認識」機能の実現にも期待が高まる

 撮影後に、カメラ内で写真を補正する機能も見逃せません。現在、ニコンが撮影後にカメラ内で露出を補正する機能を備えた製品を出しています。色かぶりや逆光などで失敗した写真を自動的に補正する機能は、インクジェットプリンターがすでに搭載しています。これらの機能をデジカメに応用したり、何枚か連写した画像を合成することで失敗写真を成功写真に変えたりできる製品が出てくるかもしれません。

 デジカメ業界は、単純なスペック競争が下火になってきたように感じます。ですが、「安心・安全」という視点で機能を見直していけば、進化の余地はまだありそうです。大規模なカメラショーや卒業・入学式を控え、年明けから春にかけて各社から新製品が多数登場します。この中から、デジカメの次のトレンドが生み出されます。心躍る製品が出てくることを首を長くして待っている今日この頃です。(井原 敏宏=日経パソコン)