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 先日、息子が理科の問題集を解いている時に、「音叉って何?」と聞いてきた。
 この息子、学校で吹奏楽部に所属しているのである。吹奏楽部員が音叉を知らないはずはなかろう。チューニングはどうした。「学校ではチューニングマシンを使ってる」。なるほど、そうか。今どきの小学生はリッチなのね。

 そこで、押入れの奥から私が高校時代に弾いていたフォークギターを発掘し、埃だらけのギターケースの中で眠っていた音叉を見せてやった。どういうわけだか息子はこの音叉をやたらと気に入ってしまい、耳に当てたり頭のてっぺんに当てたりして、何度も何度もびよよ~んという振動を楽しんでいる。

 息子が音叉と戯れている傍らで、私は久しぶりに再会したギターをつま弾いて…みようと思うのだが、すっかり弾き方を忘れてしまっていた。
 実を言えば、高校時代も3つか4つくらいしかコードを押さえることができず、いわゆる「Fの壁」にぶち当たって挫折して以来、押入れの奥深くしまわれていたギターである。
 確かAmはこう、Emはこう……とおぼろげな記憶をたどって弦をおさえてはみるものの、ギターは濁った音を出すばかり。おかしい。AmとEmだけはマスターしてたような記憶があるんだがなあ。

 よし、こんな時はネットでサーチだ。

 初心者のためのギター講座とかアコースティックギター講座といったサイトを参考に、再度チャレンジ。
 ネット上のアドバイスに従い、指を立てて力の限り弦をおさえた。爪も短く切った。しかし、一向にクリアな音色が出ない。指が痛い。もうダメだー。

 高校時代はギターに挫折するまで半年ほどかかったが、今や1時間足らず。さすがスピード時代。いや、違う。根気なさすぎ。
 と、まあ、こんな哀れな状況なのだが、私がギターを抱えていると息子が「格好いいじゃん」と誉めてくれるのである。最近、スキマスイッチだのポルノグラフィティだのといったJ-POPに目覚めた息子、初めて見た実物のギターに目を輝かせる。

 「ねえ、お母さん、何か弾いてみせてよ」いや、そう言われましてもー。

 ふがいない母に見切りをつけた息子は、昨年の誕生祝いにゲットしたiPod shuffleのイヤホンを装着し、なにやら楽しそうに鼻歌なんぞを唄っている。
 うらやましい。私もiPodが欲しい。私も鼻歌唄いたい。
 そんなに欲しけりゃ買えばいいわけだが、私にはそれを許さぬ事情がある。

 以前にもこのコラムで書いたのだが、どうやら私は耳の穴が標準より小さいらしいのだ。初代ウォークマンを購入して以来20数年というもの、いろいろなイヤホンを使ってきたが、どれもすぐにはずれてしまうし、無理に装着していると耳が痛くなる。息子のiPod付属のイヤホンも試してみたが、やはり私の耳の穴には大きすぎる。
 むぅ、なんとかせねば。耳の穴を拡張するグッズとか売ってないんだろうか。
 そこで、Googleで「耳の穴 小さい イヤホン」といったキーワードでサーチすると、いや、出るわ出るわ、イヤホンがどれだけ痛いか、どれだけすぐに耳からはずれてしまうかを切々と語るブログが山のようにヒット。世の中には耳の穴の小さい人々が予想以上に存在するのである。おお、同志よ。

 そして、耳の穴の小さな彼らの意見を参考に選んだのが、エレコムの「EAR DROPS」というイヤホンだ。「耳の大きさに合わせて選択可能なS・M・L、3サイズのイヤーフィットシリコンゴムが付属されている」という説明に加え、ハート形にラインストーンがキラキラしたキッチュなデザインも気に入った。まずはこのイヤホンを注文し、これが私の耳の穴にマッチした暁には晴れてiPodを買おうじゃないか。話はそれからだ。
 ところで、今、注文してから気づいたんだが、イヤホンじゃなくてヘッドホンなら耳の穴のサイズを問わないんじゃないだろうか。なぜそこに気づかなかったんだ、私……。