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 Windows Vistaの開発コード名「Longhorn」の名がささやかれるようになってから長い時が過ぎた。その間に変更されたコンセプト、搭載を断念された機能も複数あり、待ちくたびれたユーザーの中には「そもそもVistaってどんなOSだっけ?」と分からなくなっている方もおられるはず。一度、Vistaとその魅力についておさらいしておこう。

 次世代OSであるWindows Vistaには新機能が山ほど追加されている。ここでは代表的なポイントである(1)ユーザーインタフェースの刷新、(2)ユーザビリティの改善、(3)セキュリティ機能の強化、(4)パフォーマンスの向上について見ていこう。

DirectXで画面描画

 Vistaを使い始めてまず目につくのはWindows Aeroと呼ばれる半透明のインタフェースだ。これはマルチメディアを扱うためのAPIである「DirectX」の画面描画機能を利用している。通常、半透明や3次元(3D)などの表現に必要とされる描画処理は、CPUにとって非常に負担がかかる。Vistaではこの手の処理をDirectX対応のハードウエア(グラフィックスチップ)に受け持たせ、より高速に実行することができる。ユーザーにとっては、画面上で3Dなどのリッチな表現をスムーズに動かせるという利点がある。

 次にユーザビリティの面を見てみよう。Vistaではファイル管理や各種の設定など、ユーザーの手をわずらわせる操作を極力軽減するための工夫が見られる。その代表格がOSに統合された検索機能だ。Vistaの検索エンジンはパソコン内にあるファイルからファイル名や本文などさまざまな情報を収集し、それを分類して「どのファイルにどんな情報が含まれているか」の対応表を作成する。この対応表(インデックス)を参照することで従来よりも高速な検索が可能になるのだ。XPではインデックス作成機能が、初期設定でオフになっていた。

検索はインクリメンタル

 OSのインタフェースも検索機能を生かした作りに変更されている。例えばスタートメニューの下部やマイドキュメントの右上には新しく検索用の入力欄が追加された。この検索欄では、1文字入力するたびに自動的に検索が実行されて該当するファイルが現れる「インクリメンタル検索」が可能だ。例えば「Windows」と検索する場合、最初の「W」を入力すると「W」を含むファイルが一斉に表示され、その後「Wi」「Win」と1文字ずつ入力するたびに対象ファイルが絞り込まれていく。今までは一連の検索語を入力した後、「検索」ボタンを押す必要があった。

 次にセキュリティ面での改善だが、VistaではXPに比べて管理者アカウントに対する制限を強めるなどして安全性の強化を図っている。また、Windows Vista Enterprise、Ultimateには、情報漏えいの防止策としてハードディスク領域の大半を暗号化できる「Windows BitLocker Drive Encryption」機能が備わる。

 ハードウエアへの対応も強化され、その結果、パソコンのパフォーマンスが向上している。一例を挙げると「Windows SuperFetch」。これはVistaがユーザーのアプリケーション利用パターンを学習して、よく使うものを優先的にメインメモリーに読み出す仕組み。適切なファイルを適切なタイミングでメインメモリーに置いておくことで、アプリケーションの起動時間短縮や、複数のアプリケーションを切り替えながら使う場合の反応速度向上を図るというものだ。ハードディスクに組み込んだフラッシュメモリーを制御する「Windows ReadyDrive」や、USBフラッシュメモリーを仮想メモリーのように利用することでパフォーマンス向上を図る「Windows ReadyBoost」といった技術も搭載されている。

 また、Vistaの企業向けエディションとUltimateでは、XPにはなかったシステム領域のイメージバックアップ機能が搭載された。このようにXPから備わる各種機能を、さらに使いやすく洗練させた点もVistaには多く見られる。