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 「時間」の管理はビジネスパーソンの常識。しかし、自己の「エネルギー」を適切に管理できている人は、決して多くないのではないでしょうか。ビジネスを効率化するためのスキルというと、手帳術に代表されるように、時間をコントロールするための方法論が多いようです。

 今回から、スポーツトレーニングの原理をビジネスに応用した新しいパラダイムである「The Power of Full Engagement」についてご紹介していきます。この考え方では、企業の経営幹部を、ビジネスというスポーツに従事する「コーポレートアスリート」と位置づけます。そして、彼らを一流のアスリートにするために、スポーツトレーニングの方法論を応用したコーチングを実践するのです。メジャーリーグやNFLなどのトップアスリートと同じように心身を管理し、鍛え上げ、万全の状態で業務に望むことを目指します。

 The Power of Full Engagementとは、直訳すれば、「めいっぱい取り組むパワー」ということになるでしょうか。まず、その基本的なパラダイムを、旧い概念と比較しながら整理してみましょう。驚くべきことに、旧いパラダイムがすっかりひっくり返ってしまいます。

(旧)「時間」を管理する。
(新)「エネルギー」を管理する。

(旧)ストレスを「避けよ」。
(新)ストレスを自ら「求めよ」。

(旧)人生は「マラソン」。
(新)人生は「インターバル走」(短距離走の連続)。

(旧)休息は「無駄」な時間。
(新)休息は「生産的」な時間。

(旧)「報酬」が意欲をかき立てる。
(新)「目的意識」が意欲をかき立てる。

(旧)「ルール」を作れ。
(新)「儀式」(Ritual)を持て。

(旧)「ポジティブシンキング」でパワーを生み出す。
(新)「心身ともに充実」してパワーを生み出す。

 「ルール」と「儀式」の違いが少しわかりにくいかも知れませんが、ルールとは、たとえば平日は飲酒を控えるなど、自分の行動を制限する規範を設けること。儀式とは、毎日寝る前に20分間ヨガをするとか、自分の心身をコントロールするための習慣のようなものを作ろうということです。

 The Power of Full Engagementは、見事に旧いパラダイムの裏返しになっています。しかし、決して奇をてらった結果ではありません。時間の管理からエネルギーの管理へと考え方をシフトさせると、必然的にこうなるのです。詳しくは、また次回ご説明しましょう。

 ところで、このトレーニングプログラムを開発したのはLEGパフォーマンスシステムズというアメリカの会社で、本も出版されています。残念ながら日本語訳はまだされていないようですが、私はデルにいた頃、このトレーニングを実際に受ける機会に恵まれました。日本人では、まだほとんど経験者がいないと思いますので、私なりに咀嚼した内容をご紹介していきます。

(構成 曽根武仁=百年堂)