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 10BASE-5(テンベースファイブ)と10BASE-2(テンベースツー)、10BASE-T(テンベースティー)といった銅線で信号を伝送するイーサネットは、一本のケーブルで構成できるネットワークの規模に限りがあります。電気信号は距離が増えると弱くなり、ケーブルを無限に長くはできないからです。この問題を解決するのがネットワーク接続機器です。

リピータはケーブルを延長する

 リピータはいちばん単純なネットワークの接続機器です。一方のポートから入った電気信号をそのまま増幅、信号波形を整えて、別のポートへ送ります。信号の減衰を防ぎ、より遠くまでLANを拡張できます。

 ポートを3つ以上持つリピータはリピータ・ハブと呼ばれます。10BASE-Tイーサネット用の集線装置は単に「ハブ」と呼ばれていますが、本来の名前はリピータ・ハブです。

 リピータは信号を増幅/整形してお互いを接続するだけなので、全体がまるで一本のケーブルでつないだLANのように振る舞います。つまり、拡張したネットワークに属するどれかの端末が同時にデータを送信すると衝突(コリジョン)が発生するのです。衝突が起こる可能性があるLANの範囲を「コリジョン・ドメイン」と呼びます。

 イーサネットの制御方式CSMA/CD(シーエスエムエーシーディー)ではフレーム送信中に他の端末からの信号を受信すると、衝突が起こったと判断します。しかし、リピータで拡張したネットワークの規模が大きくなるとこの仕組みがうまく働かなくなります。ケーブルの長さに比例して信号伝達の遅れ(遅延)が起こるからです。

 遅延が大きいとフレームの送信が終了するまでに、他の端末からの信号が到着しないことがあります。この場合、実際に起こっている衝突を端末が検知できません。こうした問題を防ぐため、イーサネットの規格であるIEEE802.3(アイトリプルイーハチマルニテンサン)では、リピータで拡張可能なネットワークの規模とフレームの長さに制限を設けています。

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 電気信号はケーブルを伝搬する間に弱くなるので,一本のケーブルで正しく信号を伝えられる距離には限界があります。同軸ケーブルを使う10BASE-5では最大500mのケーブルを使用できますが,10BASE-T,100BASE-TX の最大ケーブル長は100mです。このため,10BASE-Tや100BASE-TXではリピータやリピータ・ハブでLANを拡張するのが一般的です。
 リピータで拡張できるネットワークの規模はイーサネットの伝送速度で決まります。10Mビット/秒のイーサネットの場合,端末と端末の間におけるリピータの最大数は4台となります。100Mビット/秒のイーサネットでは最大2台となっています。