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 海外でいくつかのサービスが登場して、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が話題になり始めたのがちょうど5年ほど前。当時、仕事がらみの関係からお誘いも受けたりしましたが、妙にお付き合いが深くなるのも怖くて、ためらっているうちにうやむやにしてしまいました。mixiが人気を集めているのは知っていましたが、何となくきっかけもないし、友達も少ないし(!)、縁遠く外から眺めている状態でした。

 しかしまあ、ここまでSNSが広く使われるようになって、パソコン雑誌の記者として「SNS? ぜんぜん知りませ~ん」というわけにもいかないかなあと反省し、最近いくつかのサービスに登録してみました。

 で、ちょっと怖いなあと思ったことがいくつかあります。いずれもプライバシーに関することで、ものすごく深刻ではないのかもしれないけれども、安心して見過ごすわけにもいかないかなというレベルのものです。今回は、そんな“ちょっと怖い”と思ったことをまとめておこうと思います。私が1ユーザーとしてごく短い期間に経験した範囲なので、あくまで雑感ですけれどもね。

 まず一つには、いつどこで本名が表示されるのか事前に知らされていない点です。あるサービスでは、氏名のほかにニックネームも登録しました。SNSに限らず、できることならなるべく本名は登録したくない私としては、初めは姓名欄に適当な文字を埋め込んでごまかしていました。どういうときにニックネームが表示されて、本名が使われるのはどういう画面なのかが分からなかったためです。

 しばらく様子を見ていたのですが、どうもニックネームが使われている場面ばかりなので、「それなら」と登録情報の氏名を修正しました。ところが、その後、母校のコミュニティをのぞいてみてびっくり。ここでは本名が表示されています。直接は知らないOBの皆さんが本名をさらしている…。氏名をひらがなで表記している人もいますが、あまり変わりはない。もちろん、適当な名前を使って本名を明かしていない人もいますが、見たところ本名のままと思われる人の方が圧倒的に多い。

 事前に、「出身校のコミュニティでは本名が表示されます」と知らされていたら、初めからそういうコミュニティは避けていたかもしれません。あるいは、本名が表示されるということを覚悟して臨んだかもしれません。私が戸惑ったのは、「(1)事前に何も知らされず」「(2)選択の余地なく」「(3)本名が表示される」仕様だったためです。このうちの二つだけだったら、ここまで驚きもとまどいも、悪い印象を持つこともなかったでしょう。

 実は、ここまで私は携帯電話で操作していました。一応、気軽に携帯電話で利用して、いざとなったら気軽に放置してしまおうかと。パソコンを使ってわざわざログインしてまでというのは私にとってはめんどくさかったからです。上記のような仕様だったのは携帯電話から使っていたからなのかもしれません。調べてみたところ、パソコンからログインすれば、本名をどの範囲で公開するかは自分で設定できました。でも、携帯電話で操作している限り、自分のプライバシー情報をコントロールできるような設定項目は見つけられませんでした。

 もしかしたら登録時に何かメッセージや設定が出来たのかもしれませんが、一応、そのことに気を付けていたにもかかわらず、何もなかったように思います。すでに携帯電話でしか使わないという人もけっこういると思うんだけどなあ…。「これでいいのかなあ」という釈然としない感じが残って、それがどうにも消えません。

 とはいえ、もしかすると気にしない人は気にしないのかもしれませんし、「分かってやっているのだから怖いことなどない」という人もいるかもしれません。でも、もしかして私に事前に知らされていないところで、私が自分で登録したプライバシー情報が、私が気が付いていないところで公開されているとしたら、ちょっとイヤだなあ、怖いなあと思ったのでした。もしかして私がまだ気が付いていないだけで、もうすでにどこかで公開されてたりするのかも。

 別にサービスを提供する側のシステムが脆弱だとか、セキュリティポリシーに不備があるとか主張したいわけではありませんし、致命的な個人情報漏えいがあるというわけでもありません。でも、ちょっとした仕様の見直しを実行してもらえれば、本当に安心して使えるのになあ、とSNS初心者である私は思ったのです。

 これ以外にも、自分のプライバシーに無頓着すぎて危ないユーザーの例というのも気になっているのですが、それはもうちょっと事例を集めたいと思っています。それは別の機会に触れさせてください。