PR

 今回はIPデータグラムが指定されたあて先のコンピュータへ転送されるしくみを説明します。

IPデータグラムはルーターが中継する

 IPが交換する情報の単位をIPデータグラムと呼びます。IPのネットワークはルーターがネットワーク同士を接続するパケット交換型のネットワークです。ルーターの役割はIPデータグラムを適切なネットワークへ中継することです。IPデータグラムのヘッダーには、送信元のIPアドレスとあて先のIPアドレスが書かれています。ルーターはあて先IPアドレスを読みとり、適切な経路を選んでIPデータグラムを送り出します。

 ルーターはネットワークと送り出す経路を対応付けた一覧表を持っています。この一覧表とあて先IPアドレスを突き合わせることで、IPデータグラムの転送先がわかるわけです。この一覧表をルーティング・テーブル(経路表)と呼びます。

 あて先IPアドレスが所属するネットワークがルーターの所属するネットワークと同じである場合は、あて先のコンピュータはルーターと同じネットワークに所属していることになります。ルーターはIPデータグラムをあて先のコンピュータへ直接送信します。あて先のコンピュータが自分とは別のネットワークに所属しているときは、自分よりそのネットワークに近いルーターへIPデータグラムを転送します(pict.1)。このようなルーターの中継機能(中継制御)をIPルーティングと呼びます。

拡大表示
 札幌から飛行機でアメリカの都市に行くことを考えましょう。国内の都市なら札幌から直接,飛行機が飛んでいますが,海外となるとまずは国際線の発着している空港(絵では成田空港)へ行ってアメリカ行きの便に乗り換え,とりあえずアメリカへ行くことになります。
 これと同様に,ルーターもIPデータグラムをバケツリレーのように中継してあて先のコンピュータへ届けるしくみになっています。ルーターは自分の持っているルーティング・テーブルと,IPデータグラムのあて先IPアドレスを比べて,転送すべき経路を決定します。あて先IPアドレスが自分と異なるネットワークに属しているときは,IPデータグラムをあて先のネットワークに近いルーターへ転送します。