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 前回解説した第2層の機能は隣のコンピュータまでデータを伝送することでした。今回説明する第3層は第2層の機能を使って目的のコンピュータまでデータを転送する機能を提供します。

複数のデータリンク層を経由して配送

 OSI第3層の別名はネットワーク層です。第2層で相互に結ばれたコンピュータをいくつも経由して、出発点のコンピュータから最終目的地のコンピュータまでデータを転送するのがネットワーク層の役割です。ちょうど旅行客(データ)を目的地まで連れて行く添乗員のようなものです(pict.1)。

 ネットワーク層のプロトコルは、コネクションという考え方の有無で2種類に分かれます。コネクションとは、通信に先立って出発点と目的地のコンピュータの間で結ばれる論理的な通信路で、ちょうど双方のコンピュータの間に通した一本のパイプのイメージです。コネクションが確立されると、出発点からデータを送り込むだけで、データはコネクションに沿って配送され、送り出した順番で目的地に到着します。

 コネクション型の通信は通常、データが適切に流れるように量を調整するフロー制御や、誤りなく相手先に到達させるための誤り訂正といった機能を持ちます。また、個々のデータにはあて先を記入する必要がありません。

 一方、コネクションレス型の通信では文字通り、コネクションを使いません。その代わりに一つひとつのデータにあて先を付けておきます。

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 OSI第2層の機能を使って目的のコンピュータまでデータを転送するのが,OSI第3層であるネットワーク層の役割です。図では添乗員がおばあさんを家から目的地まで送り届けています。この添乗員がネットワーク層,おばあさんがデータに当たります。途中,いろいろな乗り物(データリンク層)を使っていますが,目的地までどんな経路を使うかはネットワーク層が決めます。
 ネットワーク層のプロトコルはコネクション型とコネクションレス型に分かれ,どちらも一長一短があります。インターネットで使うIPに代表されるコネクションレス型の通信ではネットワークの中継装置はデータを運ぶだけで,誤り制御やフロー制御はその両端の利用者が行います。従ってネットワークの負担は軽くなりますが,利用者端末に負荷がかかります。X.25やATM通信などのコネクション型の通信はこの逆になります。