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 前回はOSI7階層の通信モデルについて説明しました。今回はそのもっとも下位に位置する第1層について解説します。OSI第1層は物理層とも呼ばれるとおり、コンピュータを相互接続する通信回線の物理的な仕様を規定します。

ケーブルやコネクタから信号の種類まで

 物理的な仕様とはつまり、信号を伝えるために使うケーブルやコネクタ、およびそれを使って伝える信号そのものの仕様です。コンピュータ同士をつないで通信するためには、コンピュータや通信装置の間で情報を信号として伝える手段がまず必要になります。お互いの仕様が合っていなければ、信号を伝え合うという通信の第一段階をクリアできません(pict.1)。OSI第1層の機能は、こうした部分の仕様(取り決め)を定義することです。

 実際にコンピュータ間で信号を伝達する方法は、有線か無線かに分けられます。またそれぞれで、電気(電波)か光が使われます。例えば、電気を使う有線通信には、アナログ電話や10BASE-Tイーサネットなどがあります。光を使うのは、光ファイバを使った高速伝送などです。携帯電話やPHS、無線LAN、衛星通信はすべて、電波を使った無線通信です。さらに赤外線などの光を使った無線通信技術もあります。

 有線の電気信号を使う場合も具体的な方法はさまざまです。相互接続するためのコネクタの形状、信号線の本数、電圧や周波数といった電気信号の種類、伝える電気信号の一つ一つにどういった意味を持たせるかといった違いで、いろいろな種類があります。また、端末同士をつなぐ仕様のほか、端末と通信機器をつなぐ目的の仕様もあります。コンピュータ通信を実現するために、OSI第1層によってこうした仕様を双方で合わせるのです。

 このように、OSI第1層(物理層)のプロトコルは、ネットワークを支える数々の取り決めのうち伝送媒体に直接かかわる部分を指します。

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 コンピュータ同士をつないで通信するにはまず,コンピュータや通信機器間で情報を信号として伝える手段が必要になります。OSIの第1層は,このようなネットワークの土台となる物理的な仕様を取り決めるものです。そのため物理層とも呼ばれます。
 OSI第1層の規格に含まれるのは,ネットワークの物理仕様のすべてです。具体的には,コネクタの形状やピンなどの配置といった機械的な仕様から,信号線の使い方,信号のタイミングなどを決めている論理的条件,電気信号を使うなら出力電圧,電源電圧といった電気的条件,光信号なら波長などの光学的条件,信号に論理値をどう割り当てるか信号の仕様といったさまざまな取り決めが含まれます。