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 時間でなく、エネルギーを管理する。「コーポレートアスリート」として心身を鍛える。前回は「The Power of Full Engagement」の基本的なパラダイムを紹介しました。今回はより詳しくご説明します。

 旧いパラダイムでは人生をマラソンにたとえましたが、The Power of Full Engagementでは、インターバル走(短距離走の連続)としてとらえます。

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 縦軸はエネルギーを表します。エネルギーを使うことは、すなわちストレスがかかることですから、ストレスの強さも表していると考えてください。

 人生がマラソンだと思っている人は、休みなく走り続けるので、時々どうしてもエネルギーが落ちてしまいます。しかし、落ちてしまっても休息をとらず、瞬間的にストレスを避けるだけで、またすぐに走り出します。走り続けるのが基本ですから、ストレスが大きくなりすぎないように気をつけます。グラフは、エネルギーの大小の差が小さく、なおかつ、徐々にエネルギーレベルが下がっていく形を描きます。

 一方、The Power of Full Engagementはインターバル走です。走るときはエネルギーを最大限に高め、全速力で走ります。そして、休む時には完全に足を止めてしっかりと休息をとります。表の通り、エネルギーの大小にはとても大きな差ができます。走っている間は全速力ですから、ストレスも非常に大きい。そのストレスを、むしろ自分から求めるのです。なぜストレスを求めるのかといえば、自分を鍛え、エネルギーレベルを高めるためです。

 筋肉のトレーニングと同じ原理です。筋肉は、バーベルを持ち上げるなどしてストレスを加えると、細胞が壊れます。しかし、その細胞は1日休めば、壊れる前よりも一回り大きくなって復活します。これを繰り返すことで筋肉は鍛えられていくのですが、精神や頭脳も同じように鍛えられるはずだという考え方が、The Power of Full Engagementの根底にあります。適切なストレスと十分な休息を交互に与えることで、精神と頭脳のエネルギーレベルを高められる。自分の限界点を超えていくことができる。だから、自らストレスを求めていくわけです。

 猛烈に働くのと同じように、しっかり休むことも大切です。エネルギーのキャパシティは、使わなくても小さくなるけれども、使いすぎても小さくなるからです。日本人は特に、「休む=さぼる」という後ろめたさがあって、必要な休息もとらない傾向が強いのですが、これは危険です。オーバーワークがけがの原因となるのは、スポーツ選手もコーポレートアスリートも同じです。スポーツ選手は試合に出られなくなるし、コーポレートアスリートはうつ状態になり、会社に出たくなくなる。

 時間を管理するのではなく、エネルギーを管理するというパラダイムで考えると、仕事を詰め込んで時間を埋めるようなことはしなくなるはずです。エネルギーを限界まで高めて仕事をするのとともに、しっかりと休息もとって、精神と頭脳の筋肉を復活させる。それを体系的に行うのがThe Power of Full Engagementなのです。

(構成 曽根武仁=百年堂)