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 The Power of Full Engagementは主として経営幹部を対象としたトレーニングです。今回は自分がFull Engagementになるだけでなく、自分の周りにもFull Engagementな人間を増やし、チーム全体のエネルギーを高める方法について紹介しましょう。

 メジャーリーグのNYヤンキースのように強い集団を作り上げるには、まず、部下が自分のエネルギーを管理できるような環境を作ってあげることが大切です。そのためには、仕事に必要な人員を確保し、適材適所に配置します。人数が足りない、仕事が合わない、残業の連続で休みもとれないなどといった、オーバーワークの状態に部下を追い込まないようにします。人がいるからちゃんと休める、適材適所だから自分の能力を発揮できるという環境を作ってあげれば、部下はエネルギーの管理がしやすくなるはずです。もちろん、業務プロセス改善も必要です。

 もう一つ重要な概念に、ケアリング・マネジャーというものがあります。リーダーは部下をケアする、つまり気にかけ、親身になって助けてあげる人間でなければならないという考え方です。それには、具体的に3つのアクションが求められます。

1.フィードバック
部下はほめる、しかるなどのフィードバックを求めています。良いときにはしっかりほめる、悪いときはハッキリと指摘する。「あのやり方はすばらしかったね。みんなも喜んでいたよ」。「ああいう言い方をしてはいけないよ」。良いことも悪いことも全部言ってあげることが大切です。これは出来る限りリアルタイムでしたほうがよいと思います。

2.コーチング
部下が困っているときに、障害物を取り除いてあげます。ただし、自分のやり方を押しつける鬼軍曹ではいけません。あくまで部下を主体に考え、「こうしてみたらどうか」「次はこれを試してみよう」「こうして成功した例もあるよ」といった具合に、サポート役に徹することです。

3.キャリア・ディベロップメント
部下は一個の個人として、これからの人生でどういうキャリアを築いていくべきか、悩んでいます。リーダーも部下の人生を尊重して、一緒になって真剣に考えてあげる必要があります。

 こうしたケアが足りないと、部下のエネルギーは落ち込んでいきます。逆に十分なケアがあれば、部下は大きく成長していくはずです。

 また、目的意識を持たせるための方法として、インスピレーショナル・リーダーシップという概念もあります。リーダーは単に業績を上げるだけでなく、従業員の心に何らかのインスピレーションを呼び起こせなければならないという考え方です。日本語で言うと、人の魂を揺り動かすようなリーダーシップということになるでしょう。みんなの魂に訴えかけるようなゴールを設定して、心を1つにまとめ上げる。そして、自分とチーム、あるいはメンバー同士で、本当に心が通い合うコネクションを作る。

 そうすれば、みんなのエネルギーを高めて、活気にあふれたチームを作れるはずです。特に、現場から離れてマネジメントの割合が大きくなっているリーダーほど、いかにインスピレーションを与えるかが重要になります。企業のトップともなると、実務より、むしろ人の心に火を付ける仕事の方が大きな比重を占めているはずです。

 繰り返しになりますが、チームを元気にする方法は複数あっても、大前提は、リーダー自身が元気になることです。連日の激務の中で、知らず知らず、自分がチームにネガティブな“気”をまく存在になっていませんか。いらだっている自分に気がついたら要注意です。チーム改革の第一歩として、まずはご自身で、時間の管理からエネルギーの管理へ、パラダイムの転換を図ってみてはいかがでしょうか。

(構成 曽根武仁=百年堂)