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 あー、終わった終わった。我が家の受験シーズンがようやく終わった。
 ありがたいことに入ってもいいよと言ってくれる奇特な学校があったので、春から我が家の豚児も中学生である。ついこないだランドセル買ってやったと思ったらもう卒業。近頃、鼻の下にうっすらとヒゲ状のモノまで生えてきたりして、いやー、子どもの成長って本当にあっという間ね。そりゃあ私の白髪も増えるというものだよ。ヨボヨボ。

 しかし、今どきの受験はスゴイぞ。なにがスゴイって合格発表がスゴイのだ。

 20年近く前のことだが、私が高校を受験した時は、確か発表は試験の数日後だった覚えがある。一緒に受験した子たちぞろぞろと連れ立って発表を見にいき、その帰りに職員室に寄って担任に合否を報告したものだ。

 それが今は試験当日の夕方には、ネットで合格者の受験番号が発表されてしまうのだ。つまり、わざわざ受験した学校まで行かずとも、その日のうちに我が家にいながらにして合否がわかる。嗚呼、素晴らしき哉、科学の進歩。
 受験者のデータや点数の管理をコンピュータで処理しているからこそできるスピード発表だろうが、「主人公はどうして悔しかったのか40文字以内で答えよ」とか「『疑い』という語を使って、この時の主人公の立場を説明せよ」といった、国語のいわゆる“書き問”の採点はさぞ大変に違いない。こればかりはいちいち解答をきっちり読まなきゃならないもんなあ、読みにくい字の受験生もいるだろうし。それはウチの息子だ。採点の先生すみません。

 さて、ふと気がつけば、かように世の中はどんどん便利になっているわけだが、私に言わせりゃまだまだである。

 たとえば、歯磨き。
 歯科関係のサイトを見ると、「1本1本丁寧に磨け」だの「歯間の汚れは歯間ブラシやデンタルフロスを使用しろ」だの、あれこれ書いてあるけれど、人間の歯は親知らずも入れて32本も生えているというではないか。鏡の前で磨いたとしても歯の裏や奥は見えないし、大体、朝は半分寝ぼけてるのだ。そんな状態で全ての歯をキレイに磨くのは至難の業である。
 無論、電動の歯ブラシはあるけれど、しょせんは人間の手の感覚に頼って磨くもの。これでは、手先の器用な人とそうじゃない人の口内に差がついてしまう。

 現に不器用な私の口内は虫歯でボロボロだ。虫歯抜きまくり、差し歯入れまくりで、既にどれが自分の歯でどれがニセの歯なのかわからない状況である。ホンモノの歯よりもむしろニセっ歯の方が多いかも。
 ああ、巷で噂の格差社会はこんなところにもあったのか…。
 つまり、世の中には「手先の器用な歯の清潔な人」と「手先が器用でないために歯が清潔でない人」という2種類の人種がいるわけである。いわば歯の“負け組”とでも言おうか。

 そこで考えたのだが、そんな悲しい格差をなくすためには、1錠口に含めばシュワシュワと泡が立ち、たちまち口内が清潔になる…てな薬が出来ればいいと思う。そう、入れ歯のポリデントみたいなやつ。
 歯の生えかけた赤ん坊からお年寄り、体に障碍があったり病気をしている人でも安心して使える夢の口腔洗浄剤。そんな薬品があったら、虫歯の患者はずいぶん減るんじゃなかろうか。歯についたヤニの色や口臭の悩みも解消されそうだし。
 どうせなら、1週間くらい効果が持続する方がいいな。日曜の朝に錠剤を口に放り込んだら、何を食べても飲んでも汚れが歯につかない。週末まで歯はピッカピカ。おお、いいぞいいぞ。

 …って、つまり、手先が不器用な上にナマケモノだというだけじゃないか、私。せっかくの記念すべき100回目のコラムもこれじゃ台無しだよう。