PR

 弊社CTO(技術者)が書いた前回の記事を見た日経パソコンの編集者から、「なぜカヤックの離職率が低いのか?」を僕にも書いてほしいとリクエストをいただきました。

 ただ、実際のところ、自画自賛するほど「離職率が低い」のでしょうか?そもそも社員が急に増えたのは、ここ最近のことですし、創業後まだ10年弱ですから、充実した福利厚生の仕組みや、特殊な制度もありません。確かに言われてみれば、技術者はまだひとりしか辞めていませんが、それは職種柄ってことも考えられますし、その他の職種はそんなことはありません。たとえば、弊社を辞めて独立した後輩たちも何人かいます(※参考:後述)。

個人の成長と法人の成長のギャップ

 そこで、調べてみました。

 カヤックと関連会社クーピー合わせて
  現在の社員数:50人弱
  退職者の数:19人(カヤック6人、クーピー13人)
  平均年齢:26.7歳(カヤック28.7歳、クーピー24.8歳)
  平均在籍年数1年8ヶ月(ここ1年以内に入社した人を除くと在籍年数2年2ヶ月)

 さて、これは高いのでしょうか?低いのでしょうか?

 比較したことがないのでわかりません。が、離職率の低い会社を目指そうと思ったこともありません。むしろ、「停滞」よりも「変化」が重要だと考えているので、どちらかというとメンバーの入れ替えは大歓迎だと考えています。
 それに、終身雇用の時代が終わり、転職が前向きに捉えられるようになった今、離職率の高低でその会社の良さは図れない時代になったのではないかと思います。

 そこで、離職率についてではなく、「会社を辞める」ことについて、僕が考えていることを書いてみます。

 僕らは、会社も法人格を持つ、ひとりの「人」だと定義しています。会社も人間と同じように、成長する時もあれば、停滞する時もあるし、衰えることもあるものだと考えています。ですから、その会社の成長スピードよりも、個人の成長スピードの方が速ければ、その会社にガッカリして出ていくだけですし、会社が成長しているのに個人がまったく成長していなければ、個人は脱落していきます。すなわち、法人と個人がお互いに「得るものがない」「与えるものがない」状態になったら、無理にその関係に固執し続ける必要はありません。

辞めさせないことに意味はある?

 たとえば、面接時に面接者から、「辞めたいのに会社の都合でなかなか辞めさせてもらえない」とぼやかれることがよくあります。その状況を生み出しているのは紛れもなく本人なのですが、状況として「すでに個人の成長が法人の成長を上回っている」ケースがあります。つまり、その個人にとっての未来を考えたら、早く辞めさせてあげればいいのにという状態です。そして、きっと上司や経営者はうすうすそのことをわかっています。

 ただ、後任者がいないと事業が回らないと思っていますので「後任者が見つかるまで、続けてくれ」などという法人の都合で、“なぁなぁ”になっている状態です。でも、「後任者が見つかるまで」なんて言っていたら、そんなのいつになるかわかりません。心配しなくても、誰かが辞めたら辞めたで意外と何とかなるものなのです。むしろ、後任者を見つけるのが先ではなく、辞めたら、自然と後から後任者が見つかるのだとも言い換えることができます。しかも結果として、前任者よりも優秀な後任者が見つかってラッキーだったなんてこともよくあることなのです。不思議と。