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 2007年1月末から2月頭にかけて、2大日本語入力ソフトの新版「ATOK 2007」と「IME 2007」が登場しました。どちらも、かな漢字変換エンジンを一新して精度向上に挑んだ意欲作です。早速、両ソフトで同じ文章を入力し、実力を測定するテストを実施しました。

 数千字ある文章を10種類、ひたすら入力するというのは孤独な作業でしたが、それぞれのソフトの特徴が垣間見えてなかなか楽しめました。宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」の登場人物「カムパネルラ」と「ジョバンニ」をさらっと変換できてしまうATOKに「きめ細かい!」と感動したり、「(政治への道を許さない)ちちにかんどうされ」という文章を、「父に感動され」でなく「父に勘当され」と的確に変換してみせたIMEに「むむ、やるな」とうなったり。

 テスト結果は、日経パソコンの2月26日号でご確認いただくとして、ここでは本誌には盛り込めなかったこぼれ話をお届けしたいと思います。

 この企画では、一般的な文章の入力に加え、話題の人名や流行語などの変換テストも実施しました。日々生まれる最新語への対応状況を調べるためです。変換する語は、「Yahoo!」や「Google」の検索キーワードランキングなどを参考にして選びました。流行語として「イナバウアー」や「ハンカチ王子」、話題の人名として「安倍晋三」や「長澤まさみ」といった具合です。

 このテストでは、ATOKの強さが光りました。話題の人名やキーワードの多くを、正しく変換します。タレント、ミュージシャン、お笑い芸人などはほぼパーフェクト。変換に失敗したのは「こぶくろ」と入力して「小袋」と変換した1つだけですが(正解は「コブクロ」)、「小袋」は一般的に使われる言葉なので間違いとは言えませんよね。

 逆にIMEは、話題の人名にはほとんど対応していませんでした。時期は未定ですが、今後、最新語辞書をダウンロード公開するなどして変換できるようにする計画だそうです。

 しかし。ただ一つ、両者の結果が逆転した分野があったのです。それはなんと、「女子アナ」。「高島彩」「小林麻耶」など、ATOKでは変換できない各局の女子アナウンサーの氏名が、IMEではなぜか一発変換できるのです。「滝川クリステル」までも正しく変換できたときには、思わず声を上げてしまいました(ちなみにATOKでは、「滝川栗須輝」となります)。

 IME 2007は、膨大な量の文書データを解析して辞書を作成しているそうです(関連記事)。その文書データの中にたまたま女子アナウンサーの氏名がたくさん含まれていたのか、はたまた開発者にファンがいたのか。真相はいかに?