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 Windows Vistaが発売されて約1カ月が経過しました。実際にVistaを購入したユーザーのブログを見ていると、動作の遅さに悲鳴を上げている人がたくさんいます。特に、新しいパソコンを購入するのではなく、今使っているパソコンにVistaをインストールして使っているユーザーのブログはそういう感想が目立ちます。

 確かにパソコンの動作が速いに越したことはありません。Vistaの仕様を、なぜ1~2年前の新しいパソコンにとっても荷が重過ぎるものにしたのか、その点についてはマイクロソフトの戦略に疑問符がつきます。

 ただ、こういう考え方もできないでしょうか。それは「Vistaが重いのは、ハードが思ったほど性能向上しなかったから」という考え方です。当然、マイクロソフトはVistaを開発するにあたり、発売するであろう年の標準的なハード環境を予測します。CPUの動作周波数にせよ、グラフィックスチップの性能にせよ、その予測ほど向上しなかったという考えです。

 では、どうしてそのようなことになってしまったのでしょう。考えると、次世代のパソコン仕様を決めるキープレイヤーが不在という現実に行き着きます。パソコンのようなOS、CPU、メモリー、HDD、グラフィックスなど様々な部品を集めて作る製品の場合、トータルで性能を確保するためのグランドデザインを描くデザイナーが必要です。

 Windows 98の頃までは、事実上マイクロソフトとインテルの2社が、その役割を果たし「PC98 システムデザインガイド」などと呼ぶ仕様を決めていました。Windows XPが発売される1年前の2000年には「PC2001」を決めています。しかし、以降はそのような動きはありません。このため、CPUやグラフィックスなどの個々の部品の性能については分かるものの、トータルで見たパソコンの性能がどれだけ上がっているのかは、以前より分かりにくくなっています。

 Windows Vistaを快適に使おうと思うと、かなり処理性能の高いパソコンが必要です。今でもパソコンのガイドラインが作られていたら、Vistaはここまでの高性能なパソコンを必要とするOSにはならなかったのではないか。極論(暴論?)だと分かっているものの、「遅い~」と書かれたブログを見るたびに、そんな思いに駆られます。