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 パソコン関連書で「○○でもわかる」とか「○○にもできる」といったタイトルのものをよく見かけるように思う。主に初心者向けの本。一番多いのはやはり「誰でも」だろう。誰でもできるなら私もできるはず。誰でもわかるなら俺にだってわかるはず。読者の不安な心に優しく響くタイトルである。

 かつて、書店のパソコン関連書の棚で「サルでもわかる」というタイトルの本をよく見かけた。「誰でも」どころかサルにだってわかっちゃう。サルにできるなら、人間様の俺なら楽勝なはず。気弱になっている読者にもアピールする秀逸なタイトルといえよう。

 というわけで、昨今の「わかる」「できる」本状況が気になったので、イーエスブックスのコンピュータ関連書カテゴリーでサーチをかけてみた。ところが、サル、全然ヒットしないのである。どこいったサル。パソコンに飽きたのか?

 そして、サルの代わりに台頭しているのがネコであった。7冊ヒット。

 どういったものか、昔からネットを利用するパソコンユーザーはネコが大好きだ。外に散歩に連れ出さなければならないイヌに比べ、ネコは部屋で丸くなってゴロゴロしているイメージ。パソコンの前に座りっぱなしのネットジャンキーたちにとっては、インドア派のネコの方が愛着が持てるのかもしれない。

 さらに、イヌといえば男の子、ネコといえば女の子という一般的なイメージがある。絵本やアニメには「ワン太郎くんとミィ子ちゃん」みたいなキャラ設定が非常に多い。ひとむかし前までネットユーザーは男子ばかりであった。ただ女性だというだけで熱烈歓迎されるという時代があったのだ。そんな彼らが女の子のイメージの強いネコを支持するのもむべなるかな。

 そういえば、掲示板サイト「2ちゃんねる」のシンボル的なキャラクターである「モナー」と「ギコ」もネコのAA(アスキーアート/文字を組み合わせて描いたイラストのこと)だ。ネコ大人気。サルがんばれ。

 サルの行方が心配になり、今度は大手書籍取次会社、日販のサイトで検索。するとあるわあるわ、なんとパソコン関連書だけで58冊ヒット。これは「サルでもわかるシリーズ」というシリーズで、全て同じ出版社から刊行されている。だが、ほとんどが既に絶版。サルの時代は終わってしまったらしい。

 ところで、サルとネコ以外にも「わかる」動物が1冊だけヒットした。なんだと思う? イヌでもタヌキでもパンダでもないぞ。

 正解はなんとタコ! 「イラスト図解タコでもわかるLinux」(オーエス出版)。伊達に足がニョロニョロたくさん生えてるわけではなかったのだな。ネコ全盛の昨今だが、サルもタコも負けずにがんばれ。