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 ここ数週間、私のMacを彩る小さな進歩がいくつか重なった。本当に小さな変化なので、だれも気にしていないかも知れないが、私にとってはうっすらと光が差してくる嬉しい変化だった。その変化の一つが、この赤い印を付けた部分。(写真1)

写真1 Apple TVの出荷に備えて、iTunesのアップグレードが行われている。ジャケット写真をパラパラめくって表示する「Cover Flow」に全画面表示ボタンが付いた(右側の赤丸部分)

iTunesの楽しみ方の新しい提案

 これはiTunesの最新版7.1。世間ではVistaにほぼ対応したということで話題になっているようだが、機能面では、iTunesライブラリに登録した様々な形式のコンテンツを、大画面テレビに映し出して楽しむというApple TV に対応させるためにアップグレードされたものだ。注目のビデオ配信機能などはApple TVが出荷延期されたままなので果たしてどのように動いてくれるのか確かめようがないが、この赤い印を付けたボタンだけはApple TVがなくてもいつでも試してみることができる。このボタンは、アイコンが示している通り、アルバムジャケット写真を全画面表示で映し出すためのものだ。アップグレードされたiTunesの中で、前バージョンに加わった表面上の主な変化はこの一点だけだ。

 ボタンを押すと、ご覧の通りの画面表示となる。(写真2)

写真2 Cover Flowを全画面で表示すると、大型のフラットパネルテレビなどに映し出しても操作しやすい

 ふ~~ん、で、何がそんなに面白いの? といぶかる方も多かろう。このボタン、確かにジャケット写真が大きく表示されるだけのもの。しかし、私の自宅でのiTunesの使い方などを前提に、実際の使われ方を考えてみると楽しみ方のスタイルが大きく変質することに気づかされる。

 このコラムで、既に何度かご紹介してきたことだが、我が家のiTunesライブラリの使い方はこうだ。

 iTunesライブラリのコンテンツそのものを蓄えるのはギガビットLANにぶら下げたTBクラスのサーバーだ。最近は米国版のビデオ、テレビドラマシリーズなども買込んでいるから、既にデータ量は100GBを超えた。一方、リビングに置いたMac miniにはiTunesを走らせ、データはネットの向こうの物置に置いた、さきほどのサーバーからリアルタイムで取り出してきて再生する。オーディオ出力はUSBアダプター経由で光出力、AVアンプに光ファイバーで接続する。という訳で、音質はLPレコードやCDをかけているのと、さほどかわらない本格的な音が楽しめる。2000万円でも惜しくないというオーディオの求道家からすれば音の粒立ちはもう一つかも知れないが、立ち上がってくる臨場感溢れる音はなかなかのものだ。

 そのようにして悦に入って楽しんでいると、不満になることがある。ソファから離れたキャビネット上のパソコンの小さな画面に、ぎっしり書かれた曲目データが老眼の目には少なからずきついのである。しかも、シチュエーションはリビングルーム。ソファに深々と沈み込んで音楽を聴いている訳だから、「あれ? この曲なんだっけ」というときに、いちいち立ち上がってパソコンのところまで行くのはなんともかったるいのだ。

 パソコン画面をプロジェクター経由で壁一面に映し出す方法も試みたが、これも味気ない。写真1の画面が壁にド~~ンと表示されるわけだから、どうにも色気がない。しかも、ジャケット写真が中途半端だ。

 特に気分的にしっくりこないのが、友人などを招いてのパーティーの時だ。銘酒を酌み交わしながら、楽曲談義が花開くとき、ジャケット写真とアルバム名など、ちらりと見たくなるときがある。そんなときに小さなパソコン画面ではもってのほかだし、大画面に文字が一杯というのも興ざめだ。