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Amazon.co.jp(以下Amazon)で買い物をしたことのある方は多いと思う。
書店の店頭でふと気になった表紙を手にとってパラパラやる楽しみこそ味わえな
いが、うろ覚えのタイトルでも検索できること、近所の小さな書店には置いて
いないようなマニアックな本でも手に入りやすいこと、24時間いつでも気が向
いた時に買い物できることなど、便利この上ない。

かつて書店員だった身としては、ネット書店の隆盛=街の書店のピンチともいえるわけで、
少々複雑な気分ではあるのだが、元書店員であると同時にコドモの頃から「趣味は読書」と
答え続けている人間でもあるので、欲しい本が素早く手に入るAmazonの魅力に
は抗えない。「こんな本が出てたのか」「これも読んでみようかな」などと、
ついつい買いすぎてしまうのが悩みの種だ。

さて、Amazonには「マイストア」というページがある。これまで自分が
Amazonで購入したりチェックした商品に関連した商品を一覧で表示してくれる
というありがたくも少々おせっかいなページである。

我が「マイストア」にアクセスすると、「おいでよどうぶつの森ザ・コンプ
リートガイド」「新・トンデモ超常現象56の真相」「メル・ブルックスの大脱
走」「おいでよどうぶつの森―みんなともだちシール」「メル・ブルックスの
サイレント・ムービー」「NHKいないいないばあっ!~カミカミ20~」「おか
あさんといっしょ弘道・きよこのあそびだいすき!」「HPプリントカートリッ
ジHP138フォトカラーC9369HJ」「画図百鬼夜行」という脈絡のないラインナッ
プが続く。もちろん、このラインナップに脈絡がないのは私が脈絡なくデタラ
メに本やDVDを買いまくっているせいで、Amazonに責任はない。

「マイストア」には、それぞれの商品に「持っています」「興味ありませ
ん」というボタンがある。このボタンをクリックすることで、おすすめ商品の
絞り込みができるというシステムだ。また、「持っています」をクリックする
ことによって、さらに別の関連商品をおすすめしてくれることもある。

ためしに、何冊か表示されている「おいでよどうぶつの森」の攻略本の「興
味ありません」ボタンをクリック(実はすでに2冊も攻略本を買っているので
今のところこれ以上買う気なし)。すると「映画秘宝05月号」「トンデモ本の
世界S」が表示されるようになった。

なんだか面白くなってきたので、「持っています」「興味ありません」ボタ
ンをどんどんクリックしていく。

イギリスのコメディ集団「モンティパイソン」のDVDや、楽天監督の野村克也
の著書「野村ノート」、ささきまきの絵本「やっぱりおおかみ」などに混じっ
て、夏目漱石の「こころ」とか太宰治の「走れメロス」なんていう名作ものま
で登場。「こころ」は昔読んだけど、今は家にはなかったなあ、家にはなくて
も「持っています」を押していいのかなあ、漱石は嫌いじゃないから「興味あ
りません」じゃないし……確か「走れメロス」は文庫本があったはず……と馬
鹿正直に答えていくと、すかさず芥川だの川端だの三島だのを紹介してくる
Amazon。商売熱心である。

調子にのって、「これは持ってる」「これも読んだことある」と「持ってい
ます」ボタンをクリックしまくっていると、「マイストア」がみるみるうちに
日本名作文学全集のごときラインナップに変わっていく。おお、こりゃ面白い。
面白いんだけど、これって「マイストア」的にどうなのよ。これまで買い逃し
ていた本や興味のある作家に似た傾向の作品をAmazonがおすすめするのが「マ
イストア」だろう。

そう、「持っています」「興味ありません」という問いに正直に答えすぎる
とダメなのである。多少好きな作家や興味のあるDVDでも、思い切って「興味
ありません」をクリックすると、そこそこいい塩梅に「おすすめ商品」が表示
されるようになる。

というわけで、気持ちを新たに「持っています」「興味ありません」ボタン
にチャレンジ。えいっ、漱石も太宰も賢治も「興味ありません」だ。
Amazonとの戦いを終え、今、我が「マイストア」のトップには、ダグラス・
アダムスの小説「宇宙の果てのレストラン」が表示されている(同じ作者の
「銀河ヒッチハイク・ガイド」とその映画版のDVDを購入したせいだ)。2番目
は「トンデモ本男の世界」である。

時に思いがけない商品をもおすすめしてくれる「マイストア」。もし、貴方
がAmazonユーザなら、ちょっとしたひまつぶしにオススメだ。